ガチで独創的なレビュー:「STARの法則」(後編)



ここまでお読み下さり有難うございます。 
前編からの続きです。


2分でわかるガチな概要は前編で。

総合評価★★★(3.7)
(理由は前編の概要にて記述)




スタービジネスとは?

そして何故、スタービジネスなのか?


その解説から始まった本書。
可能性のあるビジネスだと思わされていく一方で、どのような人向けに書かれたものだかわかりづらい印象を残していきます。

ポジショニングの重要性を説いている内容であることと、具体的にどのような視点を持つかを教えてくれる内容は、とても有益だと感じさせます。
ですが、どうしてもこの本でなければならない理由も見つけられずにいるのも事実です。

また、キャッチコピーにあるリッチという言葉ともあまり結び付きはありません。


前編ではそんな読む立場の混乱と、ポジショニングから始まるSTARの原理に焦点を当ててレビューしました。

もしあなたが本気で知りたいという場合、ここからお読みでしたら、
まずはより良い伝達の為に前編の概要を読む事をオススメします。
というか、いきなり後編を読んでもあなたのお役に立てないのです。




あなたがスターであるためには、ニッチ市場を見付ける。

その頑強なコンセプト。

成功するためにベンチャー企業がしなければならないのは、他社と違うことである。リーダーにならなければならない。スタービジネスでなければ、”本当”の成功はつかめない。(p97)

本書の裏側にある大きなもう一つの思想として、とにもかくにも人と違うことする行動の奨励。

これは起業する立場として。
投資する側にとっては真の眼力といったところでしょうか。そういう企業に目を掛ける。
著者のリチャード・コッチ氏はSTARの法則に基づいて、企業を選択。そして投資。

時にリスクを背負うことにもなるその選択を、「天国への7ステップ」と表現。
起業にしても投資にしても、その理論で共に歩みを進め、スタービジネスへ登っていく中盤以降の展開です。

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ニッチを見つけるための32個のヒント。

 

リストはあなたを助けるためのものであって、邪魔するためにあるのでないから、圧倒されないでほしい。1つひとつのトリガーの内容にうなずけないなら、無理にとどまらず素早く次に進もう。(p131)


ブレインストーミングのように著者がアイデアをポンポンポンと。
起業家に対して。
一気に書き上げたような雰囲気を感じ取らせます。

その情熱にまずは圧倒。

ではその内訳は?



こんなジャンルはどうだろう?儲かるぞ。
そのような感じのものが32個。

30ページほど割かれていますが、その一つ一つが、普段私達が気付かない市場を伝えてくれています。
どのような視点を持てばよいのかを身に付けられると言えますが、問題点も一つ。

それは、これから真っさらな状態から起業を考える場合は価値があるのかもしれません。
しかし、もう既にやることが決まっている人にとってはどうなのだろうとの疑問が。

視点を知ることに損はありませんが、やっている人には何らかの事業展開のためとここでは言っておきましょうか。

いずれにしても、起業家がニッチを探すためのポジショニングの本と絞ってほしかった気持ちが前編に続き再燃。



そして実はこのヒント群は、スタービジネスへ不可欠な「天国への7ステップ」のSTEP1。
これがSTEP1???
うおっ!!!

市場を見付ける事の重要性が、この分量によって物語られていますね。

逆にここさえ乗り切れば、その後のSTEPはとても簡単。

ところで、もしあなたが起業なんかとてもじゃないけど無理という場合のために、著者から一つのアイデアが。


スタービジネスを探して働く。


んー、
スタービジネスを探して働こうとする人が、果たして本書を読むかという疑問を持ちつつ。


あなたはどう思いますか?
とにもかくにも、その見付ける嗅覚の磨き方に言及。

すでに誰かが創業したスターに便乗し、自力創業よりも比較的小さな努力で大きな成功を手に入れる方法だ。
スターベンチャーを自分で始めなければ、そのうまみを享受できないわけではない。(p179)


スターベンチャーのために働いてみる。

ただ、ほとんどの人は生活のために働いているのだから、生まれたてのスターベンチャーのために働いてみてはどうか。スターで働くことによって得られる2大利益がある。(p180)


ただ、この部分を読んで、経験上感じた超重要な事があります。



それは、そこにはとても高度な人間力と倫理が伴うのではないかということです。
どういうことかと言いますと、起業した側、あるいは雇う側からの視点で話をします。

ベンチャーだから自分が楽が出来るとか、駆け出しの会社だから自分の好きなように出来るとはき違えてしまう思惑の人材が現れる可能性があるのも事実です。

あえて悪い言い方をすると、
時に起業やベンチャーを舐めてかかる人が出てくることは、エゲつない表現ではありますが伝えさせて下さい。
起業家を守るために。

個人的にはそんなことを思いました。

本書で語られる本質には、勿論素晴らしいメリットがあります。
ですがそれは、あくまで会社のためにと思える人材。

心のどこかでのよこしまな考えは見抜かれます。
また、自分本位な考えは求められていません。

もしあなたも起業をする立場でしたら、そんな下心は嫌だと思いませんか?



そんな話を見越してか、人の選別の話も登場。
先ほどのようなことを考えていた矢先のことでしたので、驚かされます。

起業家の立場で雇うべき人材、また逆に探す立場の場合に、雇われるタイプの人間性。
その情報を手に入れることが出来たのはささやかな収穫です。

そして、

いざ、働きました!
その時にはこういうこともあり得ます。

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反面教師の偽のスター。


残酷な現実や、エゲつないシビアな話が胸を打ち続ける。

フタを開けてみたら実際は・・・ということはあり得ますね。
あなたにもありますか?

スタービジネスの重要性を説いているからこそ、偽のスターにも気を付けねばなりません。

でも気にすることは無さそうです。
著者の失敗談がリアルに。

実際に始めるまでは誰にもわからなかった。少なくとも、私がそれが予見できる専門知識を持っている人を見たことがない。
偽物のスターを起業時から正確に見定めるのは不可能だろう。(p191)




強調されているのは、非スターと偽スターは異なること。
現状や表向きはどうであれ、ビジネスマンとしても人間としても本物を見る目を養う勉強になっていくようです。

現在は様々なことに乏しくても、非スターはスターになる可能性は残っています。

「スター」と信じた企業が本当は問題児で負け犬だと気付いたらすぐに、会社がスターに進化することは可能かどうかを考えることだ。(p192)

主観にはなりますが、この辺りの話は起業をした側・事業をしている側の人間にとってはやや耳の痛さが残ります。
ですが、逆にこれまでの経験も踏まえた中で、人はどのようなところを見て判断するのかという部分で収穫はあったように感じさせます。

人間心理の横に広がりさえも。
詮索された経験もあるがゆえに、妙なリアルさを感じます。

「ああ、こうやって見られているのか」
と勉強に。

別の手段として、企業売却の話も出て来ますが、ここはちょっと非現実な心持ちを起こします。

※関連記事


全てを乗り越え、スターに向かって離陸せよ。


価値あるスターへ。

読む立場が頻繁に入れ替わる本書の内容も、終盤は完全にベンチャー企業の運営方法へ。
起業家に向けての話。
投資やリッチはどこかに行ってます。

離陸、つまり発展させていくために不可欠な4つの公式。

  • 顧客誘因の公式
  • 営利の方式
  • 流通の公式
  • イノベーションの公式



こうしてSTARの法則、およびスタービジネスは完成を迎えます。

あなたのベンチャー企業では、イノベーションの公式をすでに検討しただろうか? 離陸の安全は保証できただろうか? 離陸後、より高みへと機首を向けられるか、革新的な競合に撃墜されてしまうかどうかは、イノベーションにかかっている。(p220)

カギとなるのはやはりイノベーション。
陰のテーマ並みに、本書で模倣を禁じてきた著者ならではの結びの言葉。

スターの公式は本当にうまくいく。私の経験が特別なのではなく、検証してみると、成功している大企業はほとんどが例外なくスタービジネスであるか、かつてスターだったことがわかる。(p265)
 

ここで、ちょっと立ち読み。



値段比較をしてみた。

まとめ。


STARの法則そのものには魅力を感じさせます。

これを知っておくのと、おかないのとでは、企業の見抜き方に差が出るとまで言っても差し支えありません。


だからこそ、全体的に(表紙やキャッチコピーも含めて)、ズレを感じさせる表現をするのではなく、ポジショニングを重んじるスタービジネスが起業には不可欠だとシンプルに伝えてほしかった気がしています。



富を増やすことやリッチになるということと、直接的な因果関係も感じられず、要は成長企業の見抜き方・関わり方を本書を通して学べば良いのかなと思わされています。

そこは読む人を選ばせますね。
評価も分かれます。



「STARの法則

ダイレクト出版


輝く場所は、あなたが決める。絶対に。


最後に:

自らを活かせる場所や人生、それを選ぶのは素敵なこと。


環境のせいにするなという根性論も世の中にはありますが、それもその通りだと思いますし、否定はしません。

一方で、こうまでしてポジショニングの重要性を語られることで、そこに労力も時間も費やすことへの努力にも一定の評価をしていいのではと思わされます。

自らを見つめて、より輝ける場所を探すのも、企業でも個人でも賞賛すべき努力の1つ。
その嗅覚もただでは身に付きません。

勿論、「転石苔をむさず」という格言のように、何も得ないままではいけません。

探すからこそ、求めるからこそ、私達は結果は求められます。

そんな視点も授けられました。
基本的には起業家のためのポジショニング戦略の本。

そこに絞れば良書でした。

今度、リチャード・コッチ氏にはそこだけに絞った書籍を出してもらいたいなと余韻を残していきます。


輝く場所は、あなたが決める。絶対に。
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ガチで独創的に読んでくれたあなたに謝謝。

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