「頭に来てもアホとは戦うな!」は心をすり減らしたあなたへの癒しとなる本。より大人にもなれる本。



他人とのイザコザで、貴重な人生を浪費していませんか?
無駄な争いをしていませんか?


そんな問い掛けにグサリと来る私がいます。
あなたはどうですか?

心当たりがありましたら、遠慮なく読み進めてみて下さい。

「頭に来てもアホとは戦うな!」
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本書はTVでも紹介されていたようですが、一過性のベストセラーで終わるのではなく、個人的にはこれからも受け継がれてほしいと思わせるほどの視点が詰まっていますね。

著者の田村耕太郎氏いわく、現代実社会版の「孫子の兵法」。
つまり、非戦の書というわけです。


私自身は孫子の兵法もとても好きなのでこの台詞に浮かれつつ、ページを進めていきます。

こちらも是非オススメなのでご参照下さい。






「限られた資源を無駄使いするな!」

本書も孫子の兵法も、基本原理はこれだと著者は冒頭で言います。

成功者は無駄に戦わない。戦うべき時と相手を選ぶ。アホと戦う無駄を知り尽くしているから成功するのだともいえる。(p5)


資源、無駄使いしていませんか?

資源と言っても、石油やガソリンのことだけを指すのではありません。
あなたの人生の時間、そして心も大切な資源です。

読み進めていくと、その貴重な資源の守り方と、私たちへの癒しと戒めが共にやって来ます。

「アホ」という表現は、何とも言えない気持ちを引き起こしますが、この際、疲れてしまった心のためには受け入れて読んでいきましょうか。

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「アホ」とはどんな人か?


冒頭の「はじめに」がメチャクチャ濃いです。
その良さは真に伝えたい!

そして序盤ではアホの定義から。
かなりズバズバと。

ここで展開されていくその定義も、楽しいやら悲しいやら。
恐らくは、あなたの経験が脳裏に
自然と浮かぶことになるかと思います。

でもそれで良いのです。

一言で言えば、あなたがわざわざ戦ったり、悩んだりする価値のない人間である。そして不条理な人物である。あなたにとって一見、目障りで邪魔である。時として正当な理由もなくあなたの足を引っ張ってくる当たり屋でもある。あなたに体当たりして絡んで、自分の価値を上げようとする。(p16)


うー、
まだまだ続いていきます。
そして次にどんな人が無駄な戦いをしてしまうのかの特徴。その中の一つにあなたが当てはまるかもしれません。

ここはかなり核心を突きますね。



本書を手にするようなあなたにとっては自らが当てはまることもあり、うなずくのが辛い時もあるでしょう。でも受け入れる覚悟があればきっと楽になっていきます。

それが大きな大きな一歩。

私はまさにそうでしたが、今なら気にもなりません。

人生は不条理だと思ったほうがいい。そもそも”条理”とは人間が考えた勝手な幻想ともいえる。
(中略)
世の不条理を受け入れ、まかり通らないのを百も承知で正義とともに殉じる覚悟なら、それはそれでいい。しかし、そこまでの覚悟がないなら、善悪を最上位において、正義感を世の中にむやみやたらに要求することは避けたほうがいい。(p22)

 

そもそも正義とは何?


序盤の第1章と2章で力の使い方と、正義の概念を考えさせられていきます。
何だか準備運動のような感じです。

ところでこれは正義と言えますか?

アメリカでは有能な弁護士を雇う資金があれば、どんな犯罪でも有利な判決に持っていけるといわれる。(p21)


現実とはいえ、極端な例かもしれません。
ですが、
人間には様々な権利が平等に与えられている以上、私たちが定義する「正義」というものは、人の数ほどあります。

もしかしたらそこには正解も無く、信じているものが実は独りよがりだったり、世の役に立たないものだったり、思い込みだったりするかもしれません。
辛いですが、そう知っておくこと、そう悟っておく大局観の方が大切なのかもしれませんよ。


さらに現実は続き、著者が触れるのが、ヒーローものが世界各国でウケている理由。
それは私たちが心の奥底ではそんな正義の曖昧さを一番認めているからなのではないでしょうか。

ハッキリさせてくれるし、スカッとする。

裏を返せば、やはりそれは漫画や映画の世界にしか存在し得ない正義という名の幻想。




良書だと思います。
名著を始め、良いものは至って現実的。読み進めながら思考も回転させていきますね。

加えて、魑魅魍魎な政治の世界を生きてきた著者だからこそ伝えられる「条理」という生の経験。それが同時に説得力を増していきます。


そして本書が強調する一番大切なことは?
目指すべきあなたの正義は?



あなたにとって本当にやるべきで大切で、価値のあることだけを見極めることです!

これは本の最後まで一貫。
時に励ましでもあったり、戒めでもあったり。

何をするにも自分の時間価値を常に意識しよう。
(中略)
自分の時間をうまく投資すればどれだけの価値が生めるのか? それを考えていれば、アホを相手にする時間がいかに無駄かわかるだろう。(p36)


では、目指すべきことを実現するために必要なことは?

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本当の成功、勝利、強き者を知る。


時間と回数を重ねて読むべき本。

耳心地の良さそうな言葉ですが、決してそうではありません。

この言葉の裏には、ただ良い本だからと褒めちぎる訳ではない現実が横たわります。それはまず、真理に近付くのは一朝一夕にいかないということを意味しているのですね。

 
言い換えれば、頭で理屈としてわかっても、本能や感覚で呑み込めないと意味も無く、それには一つ一つを悟りながら納得していく多大な時間と経験を要するということです。

これまでアホと戦ってきたならば特に。
そう伝えさせて下さい。

アグレッシブな人間が多いと思われている欧米では、過剰に戦闘的な人間の評価は著しくない。(中略)自己主張が激し過ぎる人やすぐ感情的になる人は、ビジネスパーソンとして未熟という烙印を押される。
むやみに戦わないほうが、人生というサバイバルレースで結果を生むことがあるのは、動物の世界でも人間の世界でも一緒なのだ。(p39)

人間の真理を知るには時間も回数も必要。いつの時代も。
主観とはいえ、本書にはそこを費やす価値はあると感じています。

では、それらを踏まえて、本当の成功、勝利、強き者とは?
時間を掛けて知っていきましょう。

敵って何?
敵を味方にしてしまえ。


非戦の書の醍醐味ですね。

とはいえ、戦わないということには高いコミュニケーション能力と倫理が求められ、時間と経験に加え思考も要します。

メンツをつぶされたことで、感情的になり怒って戦うメリットは何か?
戦って相手を不快にさせ、メンツ以上のものをつぶされる可能性はないのか?
ここは受け流して、”味方にする”とまではいかなくても、相手をうまく利用できる可能性はないのか?
こういう計算をすればたいていの場合、メンツくらいで苛立つことが無駄に思えてくるだろう。(p44)


人間力も高める中盤。
こうして、敵を味方にして動かしてしまうことが本当の強き者。本当にすごい奴。

対人関係を捉えるときに知っておいてほしいのは、まず「敵」という発想はいらないということだ。誰かを「敵」と思っていいのはスポーツをやるときくらいだと思う。実社会で敵なんか作らないほうがいいに決まっている。(p57)
 


私も常々このサイトでも触れていますが、敵対からは何も生まれないと思っています。

古今東西、味方を一人でも増やしていくことに成功と勝利のヒントがあるのではないでしょうか。それが出来る人がカッコイイと。

そこで他のオススメ書籍。


孫子の兵法のみならず、似たような本にはこのようなものもありますのでご参考に。




「人を動かす」


本書の中でも、この本について言及している箇所が出て来ます。

やはり避けては通れない書籍の証。
言わずと知れた人心掌握の世界的ベストセラー。
そしてこの著者カーネギー氏の思想を現代に受け継いだ人物がこちら。



「敵を味方に変える技術」


ボブ・バーグ氏。

両書に共通することとして、他民族のアメリカで生き延びてきた本であること。そこに処世術としてのグレードの高さを感じさせます。

人を動かす 新装版

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静かなテンションに変わり、訓戒の書へ。


それまでの兵法から真理へ。

序盤はかなり兵法書のようだった本書も趣が変わっていきます。
中盤ともなると、戦いから離れて人間観察や洞察。
 
事を成すために、経営者だろうが、学者だろうが、政治家だろうが、行政官だろうが、必要な能力がある。それは「相手の気持ちを見抜く力」だ。この能力を持つ人が一番賢い人であり、この力さえあれば、あなたの人生は「鬼に金棒」である。(p74)

政治の実体験や視点が多く、やや興味の分かれるところかもしれません。こうして第4章、5章の頃には内容も大人しくなる印象です。仏教のように。

主観ではもっと最初のテンションが続いてほしかったと思いつつ。
加えて、もっとアホについての策をいやらしく語ってほしかった気がしています。



真理に触れていくには、静かな境地はやむを得ないのでしょうか。

そもそも、この世には”不本意は人事異動しかない”と思おう。(p127)

善悪なんてものを越えた穏やかさとあきらめ度MAX。
ですが、その諦めにも大きな意味が。

最後はあなたにとっての自己啓発。


メッセージを伝えたいと思えば思うほど、最後はこういう展開になるのは致し方ないところです。

この世は不条理であり、正義や義理は大事だが、それを純真無垢なまま鵜呑みにして行動していては、たった一度の奇跡のような人生を満足する形で使い切ることはできない。現実は汚く見えるものだが、そんなものに嫌悪を示すより、自分の目的に集中して、そこで結果を出すことに専念したほうがいい。結果を出すために権力に接近することが必要ならば、その力を活かすことも視野に入れて準備しておくことだ。(p150)


諦めることは断ち切ること。
そしてやるべきことにフォーカス出来るという真意が見え隠れします。

そこに励ましがあるのは嬉しいのですが、ほんの時折感じてしまう調子の良さを理解するのは、もう少しだけ時間が掛かるという方もいるでしょう。

調子の良いことは信用を失うので、その辺のバランス感覚も人間力として身に付けるべきことでしょうね。

正義が流動する不安に対して、拠り所を探したくなるかもしれません。
あなたの中の正義はどこにあるのかは読み終わるまで続きます。


やはり、戦ってしまうのもアホ。


否、戦い方を間違えるのがアホ。

あなたの人生の成長のためには、戦うのは自分自身とだけ。
終盤で著者の田村耕太郎氏が強調していくことです。
 
アホと戦ったり、他人の目を気にしたりという雑念により、自らをおかしくしてしまう責任は自分にある。(中略)アホと戦う暇があったら、そんなことを考えてしまう自分と戦うべきだ。そして自分と戦うためにも、自分と向き合うべきだ。(p192)

他人に敵対心を持ったり、嫉妬するのも、裏を返せば自分に負けているということ。
心当たりはありますか?

一貫して2~3ページに区切られていく構成は変わらず、その
厳しくも有難い格言の数々が読みやすく脳裏に焼き付いていきます。



中盤以降の内容に本書の幅広さを感じますが、本来の孫子の兵法には一貫して戦いへの策があります。

効率の良い戦いにクローズアップ。
あくまで戦いの存在自体が消えることも否定されることもありません。

古代の戦いというものには人の命も国家の存亡もかかっているので、その意味ではもっと過酷でギリギリの中で生まれた考え方なのでしょう。

だからこそ非戦の書と言われるのは、戦わないで済むのならば、戦わず。
交渉でどうにかなるのならば、戦わずして勝つという論理になるわけです。

大したことではないのですが、気になったので一応お伝えしました。

やられたらやり返すのではなく、やられたら、やった人を気持ちよくさせて自分のために使い倒すのだ。それが本当の倍返しだと思う。
小さな戦闘で一喜一憂するのではなく、大きな戦いに勝つべく、淡々と戦略的に生きてほしい。(p219)
 


「頭に来てもアホとは戦うな!」

朝日新聞出版

本当に自分のすべきことに全力注いでいますか?


最後に:

何が大事で、何が正義か。

そして人生の時間やその有難みというものについて考えさせられます。
 
逆に人生の有限性を認識せず、それを錯覚していつまでも時間があると思えば、それもわからないのではなかろうか?(p209)

あなたが出会ってしまったアホはいるでしょう。
でも気にすることはないのです。

その時々で正義が流動的であったとしても、絶対に守って良いものはあなたの心と時間。

そんなシンプルなことがなかなかに出来ないジレンマに人は苦しみますが、著者の田村耕太郎氏が本書を通してあなたの味方に。

人生観が変わると言っても過言ではありません。
もし戦って疲れてしまったのならば、一冊隣に置いてみる。
そうすると、気持ちよく心が溶かされ、何だか救われていく一歩目が待っています。

本当に自分のすべきことに全力注いでいますか?
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ガチで独創的に読んでくれたあなたに謝謝。

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