あなたは成功の第一歩は何だと思いますか?
成功の形といってもいろいろあるかとは思います。
例えば、金銭、認知、名誉等。
そのいずれかを目指す為に昼夜勉強をなさっているかと思います。
どの形の成功であれ、その第一歩として著者が挙げるもの、それは、
「コミュニケーション能力」
です。
質の高い人生は質の高いコミュニケーションから生まれる (p20)
ごめんなさい。
またまた質問をさせて下さい。
コミュニケーションというものは他人とだけするものと思っていませんか?
本書はテーマとして2つのコミュニケーションを取り上げています。
その2つを解明していきますが、同時に混乱を招く本だと先にお伝えしておきます。
そして初心者向けです。
コミュニケーション術や自己啓発をそれほど読んでこなかった人に。
その混乱の理由が気になりましたら、読み進めてみて下さい。
タイトルに意義アリです。
「人を動かす技術」は間違ってはいないのですが、その前段階のコミュニケーション術に特化した本と言わせて下さい。
「動かせる」かどうかは本書の段階では重要ではありません。
また「人を動かす技術」という言葉は他にもよく使われるタイトルなので、一考をお願いしたいです。
強いて別のタイトルを付けるならば、
「成功の為の2つのコミュニケーション」
といった所でしょうか。
幼少期のトラウマにより言語障害を患った著者マイケル・ボルダック氏の克服物語と並行させながら、本書は展開されていきます。
Contents
本書の概要と評価。
フォレスト出版
総合評価★★★(3.2)
(理由は概要にて記述)
私は人と話す事は苦手ではないです。
本当は苦手な自分が手に取ったという話の方が、ストーリーとしてはありなのかもしれません。
ですが、こう思っていました。
自分が苦手でなくても、相手もそうだとは限らないと。
また、磨くに越した事は無いと。
コミュニケーション術の本を読んでいた時期でもあり、どんな人に対しても、しっかりとコミュニケーションを取りたいとの願いから購入に至りました。
タイトルよりもサブタイトルの「コミュニケーション心理学」の言葉が目に。
加えて、先程の著者のトラウマを克服したという事実が私に興味を起こさせました。
どのように達人へと変わっていったのか。
そして先程のあなたへの質問に戻ります。
成功への2つのコミュニケーション。
他人とのコミュニケーションと自分とのコミュニケーション。
これが先程の2つのコミュニケーションの答えです。
更に言葉を付け加えさせて下さい。
- 自分と向き合い、思い込みを捨てていく自分とのコミュニケーション。
- 人間関係を円滑にする他人とのコミュニケーション。
前半では自分への質問及び自問自答、そして後半では他人への質問。
具体的にどのような言葉を使って質問をしていくのか、多くの実例を挙げてある所は好感が持てます。
「質問の仕方」というのも、もう一つのキーワードかもしれません。
特に自分への質問に関しては、著者の半生を考えた場合、説得力を感じさせます。彼の苦しみから生まれた心のブレーキの外し方とも言える部分です。
ここではこうまとめてみましたが、
混乱を招く欠点が。
気になった言葉を一部集めてみました。
本書では、「誰とでも話せるようになるテクニック」「誰とでも良い人間関係を作るテクニック」だけでなく、あなたが「目標達成」「夢実現」「出世」「成功」するためのテクニックも紹介します。(p3)
本書では「話し方」のテクニックも紹介します。(p4)
本書で紹介する「コミュニケーションの心理学」と「成功の心理学」を学んでください。(p5)
読んだ印象として、
「結局何の本だ?!」
と感じてしまいました。
また所々で論理に強引さが見られる所も。例えば、
あなたの思うような反応が得られるようになり、「良い人間関係」が作られるようになります。
そのためには「他人とのコミュニケーション」だけでなく「自分とのコミュニケーション」を学ぶ必要があるのです。(p4)
自分が得たい反応というものは、得ることができるのです。でもそのためには2つのスキルをマスターしなくてはいけません。(p33)
「何故そうなる?」
揚げ足を取るつもりは毛頭ありませんが、
因果関係や根拠の見当たらないものや、私がこうだからあなたもそうだよとの表現がチラホラ。
洗脳にも感じてきます。
本来はそこを解消する掘り下げが、書籍の役目や学びではないでしょうか。
何らかのセミナーを録音してそのまま文章にしたような感じです。
その都度思った事を言って、まとまりを欠いている印象は拭えません。一つ一つの言葉に役立つものがあるだけに残念。
特に中盤の、悪い思い込みを取り除く12の質問は今でも時折読み返して言い聞かせているほどです。
自分と他人とのコミュニケーションについても、くっきり分けるか、別々の本にするのも手でした。
人間関係構築の手引き。
突然始まります。
第4章から他者とのコミュニケーション術。
これまでの自分への問い掛けは、他人とのコミュニケーションの中でも活かされていきます。
もしあなたがこの類の書籍を読んだ経験のある場合には、目新しさは感じられないと予測されますね。
逆を言えば、割りと一般的で入門編とも言える基本的な内容です。
この本のゴールは、あなたがコミュニケーションの達人になれるよう手助けをすることです。「コミュニケーションの習得」に狙いを定めています。(p24)
具体的な質問群とそのメリットがあるのは有難いです。とても実践的。
余談ですが、やはりこの名著が第4章で出て来ます。
「人を動かす」
D・カーネギー著
本書の基本原理は、この本の影響を受けていると言っても良いかも知れません。
また、この本を読んだ上でより良い理解が出来るのかなという思いが起こります。
著者マイケル・ボルダック氏も障害に苛まれた18歳の時に、自分を変えたい一心で読んだようです。この名著は、一つの大きな砦のような書籍ですね。
ビジネス書界の古典。
そして最終評価は。
薄くハンディタイプの書籍です。読み返すには便利。
一方で、あれもこれもと盛り込み過ぎているせいか、矢継ぎ早に話が進みます。
読む方も何となくの勢いで進めてしまうのかなとの印象。
またこういった潜在意識に関する書籍のつらい所は、だいたいどれも同じような不変の事を言っている所です。
これまでに他の書籍もオンラインセミナーも受けた上での私の経験談になります。
多く読みましたが、多く手放したものもありますね。
本書は一応その中で残した書籍です。
あなたの潜在意識からのコミュニケーション術を浅く広く、手始めに触れてみたいなら★★★★(4.0)、
私も手始めでした。盛り沢山を逆手に取って下さい。
多く読んで来た方には★★(2.4)。
役に立たないという訳ではないですが、
このくらいならば読書家にとっては、他で既に事足りているような気がしますね。そこが惜しい。
お手軽なコストの本にするのではなく、それなりに投資しても良いから特化した深い本であってほしいという願望が残ります。
そのような訳で、総合★★★(3.2)の評価をしました。
この類の書籍の初心者に向けて、良さをレビューしていきます。
更には後編で深いオススメ書籍を紹介します。
ここで「人を動かす技術」を見たい
1063人の収入を60日で41%アップさせた。
著者は世界トップクラスのコーチだから嘘は無いのかもしれません。
コピーライティング的に言えば、キリの悪い数字もリアルさを演出。
ただ、本書の内容にその因果関係は見られません。
良くも悪くも心理学としては基本的な内容です。
勿論、それも非常に大切で、そこから始まります。
実践にこそ成長がある事も付け加えさせて下さい。
このフレーズに関しては、
売るインパクトとしてのフレーズという一面もあるのでしょう。しかし一方で、著者の半生が壮絶なだけに、独自の洞察をもっと学びたい。そんな何か目新しい視点を期待してしまう一面も存在してしまいます。
やはりその部分への期待をする方が多いのではないでしょうか。
あなたは如何ですか?
個人的には無用な期待はしない方ですが、掲げた言葉とのギャップを感じる事も否定は出来ません。
初歩的でも、その大切さは身に染みて感じているものの、ある程度読み込んでしまうと、評価が下がっていく所がつらいです。
でも評価が下がり始めた時がスタートと思って進めていきましょうか。
自分とのコミュニケーションの重要性。
孤独は人を聡明にする。
そんな言葉にもあるように、
自分と向き合い、心の声に正直に耳を澄ます事。
それは、痛さを感じながらの精神の成長と多くの気付きがあるのは真実です。
本書を読んで改めてそう思わされます。
「あなたの人生の質は、あなたが自分に聞いている質問の質」(p54)
気付く内容はあなたと私でも異なるでしょう。
それは正誤の問題ではなく、自らに必要かどうか。変えてくれるものかどうか。
自分が何にフォーカスするのかを決意することが非常に大事になってきます。(p51)
人間を左右したり、制限するものは他でもない自らの思考。
現時点での状況がどんなものであれ、その状況を作っているのは自分。
もしあなたが成功したいと願うのならば、その思考に正直になるべきだと著者は教えてくれています。
そこに何か障害となるものはありますか?
恐らくはそれもあなたの中で訳も無く作り上げてしまったものかもしれません。
それを見つけるにも解決するにも、あなたの心との対話をし続けるメンタリティーを必要とします。
つらい時に読むと余計につらさも。
自分と向き合い対話をするという事が一番シビアな闘い。
私はこれまでの人生経験の中で思い知らされてきました。
人間が抱くコンプレックスも未知のものに対する恐怖も、それは全て自分に負けてしまっている事だよ。
そう、心の真実に向き合う事を糧にしてきました。
如何に自身の思考を変えるかが、自分を変えていくヒントになる事を教えてくれています。
思考のプロセスとは、あなたが自分に質問をして、そして答えていく、そのプロセスに他ならないわけです。(p52)
前半は穏やかなようで心の核心を突かせる話に終始。
そのシビアな自分との対話を乗り越え、心の余裕を携えながら、後半の他人とのコミュニケーションへ。
質問の質を上げていきます。
もうちょっとガチで知っておきたいから後編を見たい
あなたの心の声、聞いてあげていますか?
「人を動かす技術 マイケル・ボルダック」を見たい
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「ガチで独創的なレビュー:「人を動かす技術 マイケル・ボルダック」(前編)」への5件のフィードバック
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