ガチで独創的なレビュー:「市場独占マーケティング」(後編)



ここまでお読み下さり有難うございます。
前編からの続きです。

2分でわかるガチな概要は前編で。

総合評価★★★★★(5.0)
(理由は前編の概要にて記述)




独占者のメンタリティー。

市場を独占するというのは超売り手市場にすること。
そのために一番必要なことは経済の知識でも、商売のテクニックでもなく、まずはメンタリティー。

そのメンタリティーを引き起こすものは市場に振り回されない心と「ノー」と言える勇気でした。

本書を読むことで、あなたの心に商売への自信とバックボーンが生まれてきます。
一つ一つ挙げられた格言にはインパクトがあり、売り手市場の原理を一から見直させてくれるので読んで損にはなりませんね。骨太の心理・原理が詰まっているように感じます。 


前編ではそんな商売のメンタリティーと、市場の原理に焦点を当ててレビューしました。

もしあなたが本気で知りたいという場合、ここからお読みでしたら、
まずはより良い伝達の為に前編の概要を読む事をオススメします。

というか、いきなり後編を読んでもあなたのお役に立てないのです。






本書のページ数のほぼ半分を要した7つの基本原則。

超売り手市場に向けて、これは本当に重要でした。
これだけを記した本でも良かったと思わせるものです。

では、その後はどんな展開なのでしょうか?


第2部では、それらの7つの原則を活かしての戦略に入っていきます。
思考を整えてからの実践です。

これから紹介するアイデアや手法は、見ただけでわくわくするものだ。(p114)


合言葉は、飛び抜けよう!
何度読んでもあなたの個性を重んじてくれる内容にずっと励まされていきます。

さて、どんな戦略か?

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その戦略は、聞き慣れないこんな言葉で始まる。


それは、キャンペーン主導型企業のメソッド。

まずそのような企業になれということです。売り手市場になるために。


何だそれは?!
この言葉だけ聞いてもわかりづらいでしょう。
私もそう感じました。



恐らくこれは著者のダニエル・プリーストリー氏の編み出した言葉。
そんな訳でまずはその説明から展開されていきますが、難しくはないので安心して下さい。

どのようなメソッドかを一言で言ってしまえば、キャンペーンを行い、ひとまとめに効率よく顧客を得ていくといったところでしょうか。


イベントやプロモーションを行って、一度に大勢を呼び込む。大勢の人に、盛り上がりと興奮を味わってもらいたいからだ。
一度に1人ずつ潜在クライアントに対応していると、自分も、チームも、そしてクライアントも消耗する。起業家、リーダー、マーケティング・マネジャーは、10人、20人、あるいは100人を一度に惹きつける術を学ばなければならない。(p114)

前半で習得した7つの基本原則を基に、ここでは強固なステップを踏んでいきます。一歩一歩。
あなたにとってのゆるぎない勝ちパターンや成功法則を解き明かしていくような側面も見受けられます。助かりますね。

知りたくなる気持ちが、ページを進めるのを早まらせます。

方法はいろいろとある。しかし、キャンペーン主導型メソッドには、時代や能力に関係なく有効で、すべきことがわかりやすいという利点がある。抜きんでた才能も、幸運も必要ない。(p117)

運任せの売り手市場ではなく、理にかなったスキルとしてこのメソッドを体得。
そして読み進めながら順を追い、シュミレーションしていくこととなります。

ただ、全部必要とも言い切れないので、役に立ちそうな所をつまみ取ってみて下さい。あなたのビジネスの形によって、活かし方は様々だと思います。

大まかな流れは、5つのフェーズを辿って。


そのメソッドを知っていくにあたって触れられる5つのフェーズ(段階)。
その内訳は読んでのお楽しみ。

ただ下準備で考えるべきこととして、徹底した合致を強調。

合致?



この合致という概念はマーケティングの書籍では頻繁に言われています。
稼ぐにあたってはとても大事なことだと、私も常々感じています。

全てを現実的に見極めて、無駄を省く努力の1つとでも言いましょうか。

さらにはここだけの話ですが、YouTubeのこんな番組でも強調して言われていますね。
改めてこの「合致」というものがどういうものかを知るために、是非こちらも参考にしてみて下さい。良い情報だと思います。



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戦略編のキーワードはあなたの人生にも役立つ。


現実的に考えていく合致が、あなたの心の迷いを無くしていくのではないでしょうか。
ここでまた、得るべきメンタリティーの1つに。

第2部も引き続き、売り手市場を目指してどうするかを心理・物理両面から触れる一方、啓発的な箇所も多くなっていき励みになるでしょう。全体を通して著者もなかなかに熱いです。


やはり本書をそばに置いておきたい気持ちも再燃させますね。

あなたがその仕事を始めた理由、その会社へ入った理由は、お金だけではないはずだ。お金がもらえるという以上の何かがあったからこそ、その仕事を選んだはずだ。そうした自分の信念を他の人にも伝えられれば、多くの人をあなたの取り組みに巻き込める。(p139)



小難しくない心理技術とノウハウはすぐにでも使えそうです。人付き合いのコツも含まれているので、汎用性もあり。

個人的に印象に残ったフェーズは、キャパシティーとシグナリング。
まずはキャパシティーから。

私は、”対応できる顧客の数を明確にし、その数を正直に伝える”方がずっといいと思う。
(中略)
自分のキャパシティーを知っている人は強い。一方でキャパシティーを知らない人が売り手市場を目指すのはまず不可能だ。(p119)


そして、シグナリングというちょっと聞き慣れない言葉。

私は、条件を指定する勇気を持たない限り、売り手市場には決してなれないと信じている。(p148)



概して、戦略編のキーワードは、勇気・主導権・シグナリング。

一歩間違えると大変なことになる方法群でもあるので、本書で確認をしてみては如何でしょうか。
特に条件の提示を意味するシグナリングという概念は勉強になります。公私共に。

こうして売り手市場の原理から始まり、戦略・メソッドを知っていくと、最後はそれらを活かすための土台の話が待ち構えています。
これまでの総合的な内容を踏まえ実行する上で、忘れてはいけないことがあるのです。




メソッドを使って勝ちゲームをしていくには?


最終の第三部までやって来ました。

本書では一貫して売り手市場、つまり需要が供給を上回る状態を作ることが目標でした。それらはこれから先も変わりません。
前編からをちょっと思い出してみて下さい。


実は、原理・戦略を知るだけでは不十分なんですね。

例えば、ピストルを思い浮かべてみて下さい。
あなたは弾の作り方も、それを飛ばす原理も知りました。でもそれだけでは使い物にはなりません。

では、どうするのか?

キチンとしたピストルが必要です。

つまりここでは、



あなたはどんなチーム・組織を作って、これまでの戦略を使い、どんなゲームをしてくのか?

有能なチームを作るには、有意義な文化が必要だ。小さなチームの場合、文化とは、”目標へ到達するための仕事の進め方、そして連携の取り方の基準”を指す。(p225)


より啓発的な仕事論と組織論とも言える内容で締めくくられます。

不変の最終目標である、売り手市場。そこに徹底するためのぬかりの無さ。一滴の水も漏らさぬような。
加えて、私たちが羽ばたいていく際に、著者からの熱い励まし。

古い考えにしがみつくのをやめて、今という時代にもっと順応するにはどうすればいいか、興味のアンテナを張りめぐらせよう。(p218)

 

4人の人材。7つの訓示。




先ほども触れましたが、勝つためには全てを合致させることが必要。
この人材登用と訓示も例外ではありません。

なんでも自分1人でやろうとするのは、負け戦の一本道だ。
(中略)
あなたにはチーム、つまりアイデアを授けてくれる有能な人材の集まりが必要。(p220)


あなたがどのような組織を作っていくのかも、売り手市場になるかならないかの大きなカギを握るのですね。
こういった企業の構成や文化というものは、ど
の起業やマーケティングの書籍でも触れられているほどの無視出来ない事柄。


あなたはどのようなゲームを誰としますか?
そう改めて考えさせられると同時に本書は終わりを迎えます。

著者からの最大のはなむけを受けて。常に私やあなたのメンタリティーを気に掛けてくれています。

私の願いは、この本を使ってあなたが自分の人生に、そして他の人の人生に違いを生むことだ。(p248)


それともう一つ、最後の最後で、答えの無い問い掛けが謎めいています。

最後に、ちょっと立ち読み。




値段比較をしてみた。




まとめ。

ビジネスに倫理が付きまとうことには変わりはありません。あくまでビジネスである以上、人や社会への貢献が前提です。
高飛車になったところで、人が去り、あとで追いかけてしまうハメになる。そんな人も見てきました。

反面教師です。


そうして、本書は深い部分でテクニックと同時に人生の教訓も横たわって、人間力を高めてくれる力をも持った本に移り変わっていく。
そんな不思議さも味わえます。

もしあなたが顧客を追いかけてしまうビジネスに振り回されているのならば、テクニックとメンタリティーという最大の武器を与えて味方になってくれる良書だと言わせて下さい。


言わせてみせます、「あなた無しでは生きていけない」。

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ガチで独創的に読んでくれたあなたに謝謝。

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