ガチで独創的なレビュー:「デジタル対面営業 SCREEN to SCREEN Selling」(前編)



時代が本書を良書にもするし悪書にもする。

とにかく最先端テクノロジーの内容。
ついて行けるか行けないか。

だから現時点でのあなたのテクノロジーへの興味、またはテクノロジー環境によって評価が大きく左右すると言わせて下さい。
加えて、テクノロジーに関しての入門編ではありません。

もう既にあなたの中で、それらの知識・経験が備わっているのが前提で話が展開されていくと感じさせます。
さらに、今やっている事業等にテクノロジーを積極的に導入したいと切に思っている方は読んでみても良いかもしれません。

本書の導入編では、テクノロジーの規模の大きさと濃さから触れました。




物理的に会えない人々への販売。
会えない人々とビジネス。
これが本書のコンセプトです。

本書『デジタル対面営業(原題:Screen to Screen Selling)』には、商品やサービスや着想を、物理的に会えない人々に販売するためのアイデア、コンセプト、プロセス、テクノロジーが、ぎっしりと詰まっている。(p3)


そもそも原題である
“Screen to Screen Selling”
は、あなたもご存知であろう”Face to Face”、つまり従来の対面販売を変えて、対”画面”販売とされたものです。

そのため主に機材・ツールの話にウェートが置かれていく印象も強くなっていくでしょう。

Webショップ等のレベルの話ではありません。
そこで、テクノロジーに関して必要性を感じている方や、高度なレベルにいる方は読み進めてみて下さい。
私も頑張ってレビューします!

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本書の概要と評価。

何故デジタルなのか?


何故使うのか? 使う必要があるのか?

使ったとしたら、どんな良いことがあるのか?



商談は対面で行ったほうがいいのだろうか?
もちろんだ。顧客が個人でも、委員会でも、意思決定機関でも、自ら会議に出席し、顔を突き合わせてやりとりをするのに勝ることはない。(p20)


著者のダグ・ディビトリー氏はそう断言しながらも、その上で冒頭において画面を使うことの必要性を追求。
思っていたよりも、「そういう時代だから」と時代を理由にしたり、勝手にデジタル万歳の言い分ではなく、冷静でドライな説明。

この章では、離れた場所から製品やサービスを販売することへの核心的価値を探る。それがわかれば、顧客や自分とのチームとの意思疎通に関する考え方が変わり、面談に代わる効果的な方法としてスクリーン・トゥ・スクリーン・セリングが加わるだろう。(p21)


例えば、生産性の向上やコストの削減。
具体的な数字と共に、あなたが使う場合の運営面の多大なメリットの話を入れていきます。この序盤でかなりの説得作業。

テクノロジーを駆使することに対するあなたの心の壁が取り除かれていくでしょう。



ただ、この辺りの考えは主観では非常に感銘を受けつつも、本書を手にして読むような人に必要な説得かどうか。

恐らくは、テクノロジーを
わかっているが故に言うまでもない話に聞こえてしまう懸念もあります。
冒頭だけを見てもかなり上級者向けで、その後も高度な内容が展開されていくのが予想されます。

テクノロジーの導入と準備と設定。


では、使っていきましょうか。

序盤を過ぎると、このような濃いテクノロジーの話にシフト。

現在、Zoom.usを使えば、25人までの会議をホストし、ビデオ対話、画面共有、参加者のチャットを無料で実現することができる。Join.meのプレミアムバージョンでは~~(p72)


また、

APIと統合された企業向けソリューションにはコンピュータープログラミングの専門知識が必要であり、プラットフォームとのライセンス契約の下で使わなければならない。(p73)


これらはごくごく一例です。
あなたにとっては如何ですか? 参考にしてみて下さい。

本書はデジタルツールを主に販売・会議・商談に使うことに想定。
それらのツールを使いながらの一連の流れが綿密にシュミレーションされていきます。あなたが真剣に取り入れようとする上でのイメージトレーニングといっても良いですね。

テクノロジー環境に付き物のイライラやトラブルにも言及。

だから、スクリーン・トゥ・スクリーン会議を開始する前には必ず、イライラの原因になりそうなものに対処しておかなければならない。(p58)


そして時折アドバイス。

販売会議にスクリーン・トゥ・スクリーンの利便性と柔軟性を導入したい場合、オフィスの機器をすべて見直す必要は無い。(p69)


こうなると多くのツールや状況が本書の中で想定され続けますので、あなたにとって必要な箇所とそうではない箇所が出てくるでしょう。私もそうなりました。

ただどんな状況や視点であれ、一つ一つとても丁寧に解説・解決する姿勢には好感を持たせます。
多くのツールや環境に手を出し過ぎてキャパを超えてはなりませんが、長い目で見て駆使するメリットはあるのではと感じさせます。

準備、商談、フォローアップの流れ。


基本的には営業の本。
これを忘れてはいけませんね。



営業の手段としてデジタルがある。そんなスタンスです。
運営を始め、接客方法や顧客対応、さらには商談・会議で必要な振舞い。
どれも人がやることには変わりはないと常に気付かされていきますね。

人を外さないことが、著者からの大きな陰のメッセージではないでしょうか。

先ほどの導入・設定の後も、オススメのアプリ・ツールやその使用方法と共に、営業方法も展開されていきます。
使用方法の話はかなりマニアックですね。取扱説明書のようです。

ここからの数章では、スクリーン・トゥ・スクリーンの商談において何を話すべきかを示すと同時に、アプリケーションの操作の仕方、適切に会議を終わらせ、確実に顧客を行動に導く方法について述べる。(p116)


やがて最後はデジタルと共に歩む上での、会社の運営論やスタッフの管理にも話が及んで行くのに気付かされるでしょう。
この部分は企業としての倫理を学ばされます。



「この章では~を説明する」

全体を通して、このように導入部で何を説明していくのかに触れて統一してくれているのでわかりやすさはあります。
あなたにとっての心の準備の時間。

その後に展開される難解な話も、その言葉で若干救われた気持ちになっていくように思わせるでしょう。

そして最終評価は。


私たちは1960年代に「鉄腕アトム」を見ていた。
そんな状況をまずは想像してみて下さい。

どこか急進的でマニアックなテクノロジーの内容なので、本当に必要な人が読む本。
入門編ではなく、あらゆるテクノロジーに精通していることが前提となっている本。

だからこそ評価が真っ二つ。

本当に必要な人にとっても、全てが必要とは言い切れません。
このレビューでも載せられるだけ載せていけるように努めていきます。


ページ数も多く骨太の書籍なので、ちょっとかじってみようかなという気持ちでは無駄な買い物になってしまう懸念は否定出来ません。
理解に時間が掛かってしまうので、他をあたった方が効率的です。
その場合には和書の手軽なハウツー本のようなものをオススメしたいですね。


相当に必要性や興味がある場合は★★★★(4.0)。
そうでない場合には、濃過ぎるあまり普遍的ではないので★(1.8)。

そのような訳で総合★★(2.9)の評価をしました。

もしも書いてあるテクノロジーが50年後に一般的なものになっていけば、その頃には評価はもっと良くなる可能性があります。
それだけ言わせて下さい。

ここで「デジタル対面営業 SCREEN to SCREEN Selling」を見たい

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ビジネスでデジタル。そこで大切なこと。


本書のもう一つのこんな本質。
先ほどの大きな陰のメッセージを覚えていますか?

マーシャル・ゴールドスミスは言っている。「非常に多くの人がテクノロジーのスキルを身に付けるために人生を費やしているが、人に影響を与えるトレーニングにはまったく時間を使わない。それがなければ、テクノロジーのスキルなどみんな同じようなものだ」。(p54)


つまり、テクノロジーだけに溺れるのではなく、セールスにあたり人として大切なこと。
実はこういった話もとても多く出てきて、ただの機能本ではない所に深さを感じさせます。意外な一面とも言えそうです。
あなたの予想はどうでしたか?



商談に備えて少し予習をしておこう。話をする相手がどういう人なのかを、まず知っておく必要がある。いきなり本題に入って、問題を解決したり商機を探ったりする質問をしてはいけない。ラポールを築くためには、あなたと顧客との類似点を見つける必要がある。一発で相手を落とせるような魔法の質問はない。(p119)

 
どのように使い、どのように振る舞っていくのか。



そんなマナー本の側面も展開されていきます。
必ずテクノロジーとマナーを並行させ、かゆい所に手が届くといったところでしょうか。

テクノロジーを駆使するにあたっての人として考えるべきこと。

この例でわかるように、アジェンダを最終的に決めるときは、どんな物理的環境、テクノロジー環境が最も顧客の利益にかなうかを考慮しなければならない。(p174)


ビジネスをする上で、必ず相手がいることを忘れてはいけません。
インターネット上であったとしても、私が書いているレビューの前にも今こうしてあなたがいます。



便利さの浸透には時間や時代が少しだけ必要。


その想いは読み終わるまで消えないでしょう。

画面を通して商談・接客・会議が行われていくテクノロジーには夢がありますが、そのツール解説のマニアックさがその後もエスカレート。
著者はScreen to Screen Sellingというものに情熱を燃やし、相当に詳しいと感じさせます。その情報量は圧倒的です。

特に各国のインターネット事情や各種法律まで話が及ぶのを見ると、そう思わずにはいられません。
また個人的にはスカイプが中国では自由に使えないとは初めて知りました。あなたにとっても何か知らない世界が出て来るかもしれません。



同時に多くのツールやアプリの名称が登場。覚えきれません。
その同じ数だけ使用法・対処法も登場。
丁寧な解説が続きます。

対処法を考えていくことは、組織にとっても個人にとっても非常に大きな意義をあなたにもたらします。
そこを本書で考えていきましょうか。

テクノロジーにはデメリットが沢山。


でも、そのデメリットがメリットを生む。

中盤以降で展開される内容で重要と見られるそんなメリットは3つ。
デメリットに目を向け、取り除いていく努めはこれらに必然的に繋がるのではないでしょうか?
それは、

  • 顧客満足
  • デキる人になる視野の広さ
  • 企業倫理の向上


本書からはそう読み取れます。

「こりゃダメだ」とつぶやく代わりに「どうしたらうまくいくだろうか?」と自分に問いかけよう。
カスタマーフレンドリーな代替テクノロジーを知っておかなければならない。(中略)テクノロジーを顧客サービスの障害にしてはいけない。(p123)


画面を通してのやり取りが当たり前に使われていく過程では、双方にその予備知識が必要ですよね?
相手が必ずしもテクノロジーに長けておらず、むしろ疎いことは大いにあり得ます。不安もあるのではないでしょうか。

顧客が自分と同じ設備や機材を持っていると決めてかかってはいけない。(p188)





顧客満足の観点からの多くのトラブルシューティングや不安の解決法があります。気が利いています。
便利なはずのデジタルが、逆に面倒を呼ぶことは避けたいところです。私たちもそこをクリアしながら生活のクオリティーを向上させていきました。
今では子供から老人までメールを送るくらいは出来る人が多くなったほどです。

一方でテクノロジーの話に限っては、全体的に難しく感じさせるので、必要なところを探すのに終始しそうです。

個人としても組織としても、視野の広さと危機管理としてのトラブルシューティングが誠意の見せ所として要の仕事となっていくのでしょう。
デキる人・デキる企業を追及するための後編へ。

もうちょっとガチで知っておきたいから後編を見たい


世界中の人が顧客になる。そんな夢を見させてくれる。
「デジタル対面営業 SCREEN to SCREEN Sellingを見たい

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ガチで独創的に読んでくれたあなたに謝謝。

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