第一印象はビリッケツ。
ですが、読んでいるうちに随分印象が変わる。
そういう本でした。
もう少しあなたに説明させて下さい。
最初の印象は、
経済新聞のようであったり、
経済学のテキストのようであったり、
もしくはその分析書のようであったり。
ちょっと取っ付きにくく、襟を正して難しいTV番組を見るような雰囲気と感じた事は否定しません。
読んでみたいとは思っていたものの、それほどまで高い評価は出来ずにいました。
では、どう変わっていったのか?
この導入編でもその印象の変遷の部分について触れました。
そこを深く知ったからです。
あなたの知る企業も沢山出て来ます。
ちょっと思い出してみて下さい。
どんな所が出てくるでしょうか?
著者のデビット・G・トムソン氏がそれらの企業の成長戦略を知る為に、年月を掛けて調査。
そこで得た真実に心を打たれ、知的好奇心は満たしてくれます。
励みになったと言っても過言ではありません。
成功するために何が必要なのか、少数だけが気づき、ほかの人たちが見落としている共通点がある。(p23)
もしあなたが自分で事業を持っていたり、
名立たる企業の成長戦略をのぞいてみたいと思う節があれば、この続きを読み進めてみて下さい。
知りたいあなたへの企業論、または経営・成長戦略の本です。
その内訳は規模の大小を問いません。
Contents
本書の概要と評価。
「ビリオン・カンパニー」
ダイレクト出版
ビリからビリオンになった成長物語。
総合評価★★★(3.5)
(理由は概要にて記述)
実はこの本、ダイレクト出版の月刊新書にて送られてきたもので、自らの意思では購入していません。
月間新書一覧はこちら。こんな本がラインナップされています。
数値やグラフが異常に多いな。
まず、手にしたあなたはそう思うだろうと予測します。
それがこの本を遠ざける一因である事は冒頭でお話しました。
私は恐る恐る読み始める。
そうすると意外とそこに囚われる必要は無く、もっと大事な内容はあくまで活字そのものにあると感じていきました。
成長率や投資利益率等の数値は、書籍としての説得力やプレゼンテーションの為でしかないとお伝えしておきます。
その大事な内容は、
成功の7つの勝ちパターン。
企業の出世物語。
その秘密を公開。
更にその物語に共通する7つの成功パターンを展開。
それが一貫した本書のテーマです。
その考察に終始しています。
成長する為の基本的な考え方、または考えておかないといけない事は規模の大小を問いません。
本書は、小さな企業が大きな成功をつかむ様子を描いている。(p2)
そのサクセスストーリーを楽しむのも良し。
その基本的な考えをあなた自身の中でアレンジしていくのも良し。
私は当初、分析データに気を取られ、規模に左右されていた事は正直にお伝えします。
ですが、読んでいくうちに成長する為に必要な事自体は国も大小も問わず不変と思い直し始めました。
むしろ実際に想像を超える大きさになった所の原理を細やかに知り、得る事の方が大事だと。
自らの力で置き換えていく様に真価が問われるのではないでしょうか。
ウキウキ・イノベーション。
企業や経営者たちがイノベーションを怠れば、今後の不確実性は高まる。望ましいのは、活気あふれる成長企業が続々と誕生し、素晴らしい製品やワクワクするような仕事を生み出す社会である。(p2)
世の為になるイノベーションを起こす。
イノベーションを恐れずに実行する姿勢を奨励。
本書だけに限りませんが、それらの思想を重んじる風潮には、アメリカの企業倫理を垣間見る想いです。
成長戦略の背景には必ずと言っていいほどにイノベーションというフレーズ。
金銭を越えて、イノベーションをしていこうとする企業の姿はウキウキする感情を沸き起こさせます。
そして最終評価は。
表面上は難しい話が頻繁に出てくる事もあります。
同時に必要な事を噛み砕いてくれた成長物語を知るには意外な良書の部類に入れても差し支えないかなと思っています。
どのような考えを持って、具体的にどのようなマーケティングをしていったのかを知れる部分も。
あなたが事業を持っていたり、要職についている場合、加えて好奇心のある場合にはオススメします。
成功の7つのパターンはきっとお役に立つでしょう。
その場合は★★★★(4.1)。
立場上そうでない場合には、実務的な話が続きますので役には立ちません。
退屈になると予想されます。
その場合は★★(2.8)。
そのような訳で総合★★★(3.5)の評価をしました。
ここで「ビリオン・カンパニー」を見たい
カンブリア宮殿やガイアの夜明けは好きですか?
またはプロジェクトXも。
あのTV番組も、いわゆる成長・成功物語ですよね。
それらを通して何らかの成功法則を普段から読み取ろうとするあなたには適しています。
比較をすると本書は少し経済誌のような本格的な所も。
ドキュメンタリーのように、各CEOに直接インタビューも重ねながら検証されたりもしています。
そこには個人の思い込みではなく客観性を重んじた努力が見られますね。
加えて、あなたが良く知る所のアメリカの会社が出てきます。
Google、Yahoo!、スターバックス、P&G、インテル等々。
これらの中の会社が小さかった頃の黎明期、そこからどのようにしてビリオンカンパニーへと成長の過程を歩んだのか。
裏技は決してありません。
その成長要件は、あなたにとって参考にしていきたい話になれば幸いです。
実はビリオン・カンパニーという言葉は
ほとんど本書に出てこない理由。
原題は
“BLUEPRINT TO A BILLION”。
訳すと「10億(ドル)への青写真」といった感じです。
ビリオン・カンパニーというよりも本書では「ブループリント企業」という言葉でほぼ統一。
株式を上場して10ドル企業になった会社をアメリカではそう呼びます。
企業はどんな設計図を描いてきたのか?
個人的にはせっかくこういう原題があるのだから、そのまま訳した方が良いのではと思っています。
書籍の真意がより読者に伝わりませんか?
話はそれますが、意訳は時に誤解を招きます。
原題からもわかりますように、成長物語に加えて、
何を描いてきたのか。
またはこれから何を描いていくのか。
先程のイノベーションという企業の志がありました。
それが場合によっては利益よりも重要で(と言ってしまうと大げさかもしれませんが)、実は10億ドルへの成長の要として志を描かねばならないと思わさせてくれました。もっと鮮明に。
本書の設計図(青写真)を読み解いてみて下さい。
そして一番印象的だったのが、
どの創業者たちも熱い想いを形にしようとしていた事。
確かに基本的に本書は、
グラフが多かったり、専門用語が多いドライさはあります。
ですが読み解けば読み解くほど、わずかな隙間からそんな部分が見られる事は嬉しく思いました。
私も数字に関しては強い方ではないし、正直に言ってしまうとその部分にはさほど興味はありません。
あなたは如何ですか?
むしろそこよりも企業の倫理、経営の仕方という所は好奇心を満たしてくれました。
加えて、実際に事業をやっている事もありリアルに脳内シミュレーション出来る事が大きかったです。
本書の前半は落ち着きのある展開でしたが、後半に向かって動き出していきます。
もうちょっとガチで知っておきたいから後編を見たい
ビリからビリオンになった成長物語。
「ビリオン・カンパニー」を見たい
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「ガチで独創的なレビュー:「ビリオン・カンパニー」(前編)」への10件のフィードバック
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