ガチで独創的なレビュー:「人を動かす技術 マイケル・ボルダック」(後編)



ここまでお読み下さり有難うございます。

前編からの続きです。

2分でわかるガチな概要は前編で。

総合評価★★★(3.2)
(理由は前編の概要にて記述)



成功への2つのコミュニケーション。


あなたが本書を通して学ぶこのコミュニケーションは、成功への障害を取り除く事になる。
そんな著者マイケル・ボルダック氏からのメッセージで本書は始まります。

幼少期の凄惨な経験からのトラウマによる言語障害を患った彼のコミュニケーションの達人への道。
その道に重きを置いているので、「人を動かす技術」というタイトルにはあまり関連が見られません。

それよりも、
質の高いコミュニケーションを取る為の「コミュニケーション術」の本でした。

とても初歩的な自己啓発とも捉えられ、あなたが物足りなさを感じる事も否めません。
手始めの方には★★★★(4.0)の評価。

ただ、自他共に必要とされる質問集は実践的で有益だと伝えさせて下さい。


前編ではそんな2つのコミュニケーションと質問の重要性を重点にレビューをしました。

もしあなたが本気で知りたいという場合、ここからお読みでしたら、
まずはより良い伝達の為に前編の概要を読む事をオススメします。
というか、いきなり後編を読んでもあなたのお役に立てないのです。




ゴールに到達出来ない理由。
上手くいかない理由。

あなたにありますか?

問題は、あなたにリミティング・ビリーフがあることなのです。つまりあなたの力を削いでしまうような思い込みです。(p79)


中盤ではリミティング・ビリーフ(=あなたの可能性を制限する信念)を取り除く為の自分との対話方法を授けられます。力を抜いて正直になって下さい。
強調したいせいか、何回も同じ事を繰り返している節がありますね。

上手くいく人とそうでない人の分かれ目は思考の違い。
ただそれは、先天的なものではなく、トレーニングすれば誰でも携える事が出来るとの著者の励ましで一貫しています。勿論あなたもです。
実際の自己への質問の例を辿りながら、自分が変わった所で、他人との対話へ。


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他人とのコミュニケーションの中にも
自分への問い掛けが続く。

 
WIN-WINの構築からスタート。

これは共感・調和・思考が全て詰まっている基本事項。
WIN-WINに向かって頭を凝らす事がコミュニケーションの基準となっていく表れかと思います。

まず最初に、
「どのようにしたら両者が望むものを手に入れる事が可能か」

あなたがそれを考える時は、自ずと様々な角度から物事を眺める思考になっていくのがわかると思います。
私も公私共にそんな事の繰り返しです。

では何故、そこまで自分に問い掛けるのか?
他人とのコミュニケーションなのに。



問い掛けの理由はあなたの真実に迫る事。

 
相手との会話は、自分との会話からスタートするのです。もし相手にそういった点が見出せなければ、見つけ出すまで待つか、褒め言葉をいわないかのどちらかです。100%真実でないかぎり、決して褒め言葉はいいません。(p149)

想像してみて下さい。
嘘に包まれたままでコミュニケーションが取れますか?
ボロが出て困るような関係に信頼はありません。

だから、一貫してあなたの心の真実に触れる為の問い掛けが続きます。

自分は相手をどう思うのか。今どう思っているのか。

様々なコミュニケーション方が出て来る事に気付くかもしれませんが、うわべの手法よりも、根底にあるのはこの真実に迫る問い掛け。
裏を返せば、無理をしない方法。

嘘を吐くよりも先に、愛や尊敬を待つ事を著者は教えてくれています。
真実は決して綺麗なものばかりではない。その為、とてもシビアな話に感じる部分もあるかもしれません。



いざ行為に及ぶにも、そこに嘘が無いまでにする自己鍛錬のようにも感じさせます。
同時に、コミュニケーションというものには心の強さと豊かさが必要なのだとも思い知らされていく感覚です。

自分と向き合えないと、他人とも向き合えない。
他人との調和の前に、自分の心の調和。


他人とのコミュニケーションの箇所は、割りと手短にまとめられている印象なのがやや残念ですが、質問の方法は本書の一番の有益な部分です。
 
私は文法のスキルによって億万長者になったわけではありません。その代わり、私はコミュニケーションの達人、質の良い質問をする達人になったのです。(p158)
 
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あとはメンタリティーの強化に至る。


自問自答の繰り返しを著者から促される本でした。

本書に書いてある質問に答え、考えを巡らす事でここまで来ました。
最後に至る時には理解も深まっているでしょう。



その最後は「折れない心」や「拒絶を恐れない心」といったメンタリティーの強化にシフトしていきます。
そのテーマ自体は申し分ないのですが、後半のおまけ程度のページ数なので、それだけを題材にした本にしても良いのではないかと、前編から一貫した私の感想です。

一連の流れを浅く広く知る事が出来る本だとはいえ、ピンポイントで深める必要はありそうです。

そこで書籍の紹介をさせて下さい。


拒絶を恐れない心には。




「一瞬で恐怖を消す技術」


著者マイケル・ボルダック氏の別の著書です。
アマゾン等を見て頂ければお分かりになるかと思いますが、ちょっと本を出し過ぎているような気も。

位置付けとしては、本書の最後の項からの続編のように、個人的には捉えています。

ならば、一冊の本にまとめてくれたら、名著に相応しい深さと展開になるのになとの思いが消えません。


心の声に耳を傾けるには。




「ビクトリーBOOK 基礎編
内面から成功する方法」



こちらは完全に自己啓発の思考法の書籍で愛読しています。
抽象的になりがちな思考法の内容も、誰にでもわかるように穏やかな文体でまとめられています。

発行から20年ほど経つようですが、そろそろ名著の仲間入りかと言われている、知る人ぞ知るベストセラーです。


対外的なコミュニケーションのベストセラー。




「秘・人脈活用術」


「現代のカーネギー」と呼ばれるボブ・バーグ氏のベストセラー。
このサイトでもオススメとして度々取り上げています。

ボルダック氏も、このくらいの厚さと値段で出してはくれないものかと思ってしまいます。
人脈を取り上げていますが、やはり一番はコミュニケーション能力と信頼関係の結び方。
それを人間の心理の基本原則からじっくりと展開している所が深いです。




そして、最後は立ち読み。


読みやすさは感じられる構成であるのが見て取れます。 


値段比較をしてみた。

 

まとめ。


考え方がものを言う。

コミュニケーション術の本でしたが、主には対外的な事よりも内省的な内容でした。
まずあなたがどのようにしたいのかと自問自答をし、考えて、あなたらしくなる。
その上で、どのように対外的なコミュニケーションを取るのか。

成功の為という漠然とした大義名分はあっても、根底にはそれに惑わされずにあなたらしさを追求しなさいというメッセージが込められているように思います。



全てあなたから始まり、あなた次第。
全てその為の自問自答。

そこには自己責任もあります。
自分と正直に向き合う事の厳しさと大切さを教えられます。

同時に、自分と向き合う時間に耐えていく事は、真の意味であなたも私も強くする事に繋がるのではないかと思っています。
やや尖った言い方にはなりますが、向き合えずに、目を背けている自分を誤魔化して弱くなっていく人がいるのも事実ではないでしょうか。

だからこそ、著者の強調する自分とのコミュニケーションの意義には共感もしますし、大きな何かを突き付けられるように感じます。

その部分だけに特化する一冊にしてほしかった。
そんな願望を前編の概要で書きましたが、あれもこれもと矢継ぎ早に盛り込んだ感が惜しく感じられます。

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ガチで独創的に読んでくれたあなたに謝謝。

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