「「人の動かし方」が上手な人・下手な人」。組織人や営業マン向けの処世術の本。人心掌握というほどではなかった。



賢い立ち回り方や根回し上手になるための本。
あらゆる面倒臭さと対決。

そう表現した方が良さそうですね。
そうなると、やはり起業家というよりは組織に属する人や営業の人向けとなりそうです。

「「人の動かし方」が上手な人・下手な人」
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サブタイトルは
「この基本を身につければ、部下・上司・交渉先との人間関係が好転し、仕事の流れもうまくいく!」

一方で本書の題名からすると、こうは思いませんか?
人心掌握のような高尚なニオイがしてきそうだと。

私自身もそこを期待していましたが、身近過ぎるくらいのリアルに対応した、ハウツー本の雰囲気でした。もしくはコミュニケーション術。





一応、著者の国司義彦氏はこのように言っています。

少なくとも私としては、組織をうまく泳ぐための小手先のノウハウではなく、あくまで時代を先取りする正統的なアプローチを試みたつもりです。(p2)


確かに、その想いから出来上がった丁寧なクオリティーだと感じさせますが、困ったことが一つ。

そこから触れていこうと思います。
まずはあなたに質問をさせて下さい。

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人心掌握関連の名著を読んだことはありますか?


私はあります。
そして勿論、これからもそれは続いていくでしょう。 まだまだ学ばなければなりません。

まずは私事から失礼します。



「人を動かす」


このサイトを訪れて下さるようなあなたでしたら、やはり同様かと思いますが如何でしょう?
何らかの名著に触れて来たのではないでしょうか。

だからこそこれからお伝えすることが、そんなあなたに共感頂ければ嬉しく思います。


人を動かす 新装版

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物足りなさを感じてしまう。


本が好きだからこその悲しいサガですね。
名著を読んできてしまえば、心に大きな基準が生まれてしまい、そう感じてしまうグレードであることは否定出来ません。

では、具体的にどんなグレードか?



これまでの歴史を辿っても、先ほどの「人を動かす」という類の書籍は、私が言わずとも山のようにありますよね。
加えて、夜空の星のように、永い年月の中で生まれては消えていったのが現実だと思います。

ちなみに当サイトでも、人心掌握やコミュニケーション関連は多々レビューしていますし、これからも続きますので参照してみて下さい。

先の現実を踏まえつつ、本書のグレードというのは?

名著は、高尚で道徳的で哲学的で、時に抽象的なことから紐解き、思考力を鍛えさせる。
その一方で、本書は、超現実的な日常の一コマの連続。
企業や組織の人間模様がつぶさに描かれています。それはあなたの身に昨日今日起きたことかもしれません。



そんなグレードなりに、立場上、知っていれば役に立つことはあります。
そこをピックアップしていきますね。

ただ、大々的に薦めることはしません。

何故ならば、今となれば新品では入手不可で、超安価で中古品のみが存在している事実にミソがあります。

実は、
プロパーではなく、その金額が妥当でしょう。
安いのならば手元に置いても悪くはない、と。
私は本というものは、情報に値段がついたものだと思っていますから、そう表現します。

組織を渡り歩くには悪くはないと思わせる、無料や安価の小冊子のように考えてみて下さい。

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事をおこすには人ありき。協力ありき。


さて、本題に入ります。

組織、あるいはそれを構成する「人」を動かせないと、思い通りの仕事は出来ない。
それが本書の一大テーマです。

また、本来ひとりでやるよりも、組織に属し、あるいはなんらかの関わりを持って仕事をしたほうが、より便利で効率的であり、また、より快適で安全な暮らしができるはずだからなのです。(p1)


冒頭でも書きましたように、とてもリアルな内容。
だからあなたが今、ある企業の組織に属している毎日をイメージしながら読むのが良さそうです。

脳内シュミレーション。

この職場の公式のリーダーはもちろん課長ですが、課長がいくら不良品をなくせと部下にいっても効果はあまりありませんでした。なぜなら「実質的なグループのリーダーはAさんだった」からです。(p26)




コンサルタントである著者が実際に経験した実例は親切。やはりイメージしやすく、場合によっては共感も。逆に少し辛くもなり。
「私にもそんなことがあったなー」と。

その点は洋書よりも腑に落ちる良さを残していきます。


序盤は主に説得術。


立場的に需要があるかどうかは分かれるところかもしれませんね。
あなたにとって、説得して人を動かすことは必要そうですか?

しかもその状態がとても面倒臭そうなものだとしたら、です。
縦割り、管轄、理不尽、部署同士の対立。



個人的にこういう言い方はあまり好みませんが、読んでいくと、とても日本人的なものを感じていきます。
「企業あるある」
と表現させて下さい。
 

といいますのは、たとえば会議の席で社長から「なんでもいってくれ」と呼びかけ、それに応じて反対や異議その他の提案を部・課長がしたところ、あとでこっぴどく叱られたとか冷遇されたとかいうことになりますと、彼らはもう二度と口を開かなくなってしまうからです。(p38)


あなたが主人公になった企業ドラマ。
前向きにさせてくれる内容ではあるのですが、そんな綺麗事では済まされない現実も見え隠れしていきます。


人との関わりの中で鍛えられることは。


何だか優しく諭されていくような。
中盤を過ぎて、全7章のうちの第4章以降にもなると、心なしか道徳的な台詞が多くなっていくのに気付かされます。



熱せられた感情を冷ますように、所々で著者の落ち着きのある教えです。

しかし、考えてみますと、おたがいにこんなに気まずい思いをする必要はどこにもないはずです。それどころか、おたがいに助け合って仕事をすべきではありませんか。(p118)

著者の言わんとしていることは、大局的に物事を見ていくことでしょうか。様々な立場や角度から考察し、判断出来る人物になることを根底では教わっていくようです。

淡々と描かれていく人間模様から、企業や組織の面白さも感じさせます。

もちろん、なんでもかでも相手にあてがったのでは、自分で考える力がつかないということもあります。しかし、これも「人を見て法を説け」の諺どおり、相手にその力がなかったり、そんな余裕のない状態だとわかっているのに、ただ放り出して「勝手に考えろ」「だめだ、だめだ」というだけでは、うまくいかないのです。(p134)

その部分の教えが良いだけに、もっと追及して深められたのではと、勿体無く感じてしまうのです。
例えば、



上手な人・下手な人というテーマも追求してほしかった。


ごくシンプルに、両方のやり方を比較してもわかりやすかった。
私見ではそう感じています。

本書のタイトルになった意義にやや疑問が。2パターンある人間模様も悪くはないと思わせます。

エゲツない物言いにはなりますが、著者の言う「下手な人」ならばどのようにして、どのような結果を招くか。
本文中に無いことも無いですが、タイトルのとおりに徹底しても面白かったですね。



ラストの数章は、したたかな兵法書へ。


全体的に、売れ線ではなくマニアックな書籍。
需要はかなりピンポイント。

例えば、営業の仕事だったり、人の協力を仰がなければならない仕事だったり。


今のあなたに、あるいはこれからのあなたにとって、根回しや説得をしながら組織や人を動かした方が良いという状況がありますか?
もしある場合は、安価な小冊子としては価格的にベターでしょうか。

同時にこちらも如何ですか?
私は所持して、重宝しています。
[図解]人脈のつくり方

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これまで述べてきたようなシチュエーションにフィットする分には悪くはないのですが、コストの面とピンポイントの需要の部分であえて評価を下げました。ツライところです。
コテコテの名著を読んでの肉付けなら良いかなといった感じですね。

実績もおカネもない場合、外部の協力を得るための秘訣は情報であり人脈です。そして情報は人脈のある人に集まります。(p170)

最後は先ほどの教えと共に、組織とつながりを保ち、生き抜くしたたかさも伝授されていきます。やはり一貫してリアルな人間模様。
ただ、それならば本家の「兵法書」をオススメしたいですね。




個人的には強くそう思っています。
それらをペアで読んでみて、かなり強力な肉付けにはなっています。



「「人の動かし方」が上手な人・下手な人」

こう書房

面倒の数だけ、あなたに成長がある。


最後に:

人間関係は大事。

それは言わずもがな、かと思います。

「人を動かす」とひと口にいっても、置かれている立場や「どこへ向かって働きかけるか」によって、やり方はいろいろありますが、いずれにしても「時代の大きな流れ」を無視しては、いかなる作戦も政治力も結局はムダに終わることを知るべきでしょう。(p210)

大事ではあるけど、答えも無く一筋縄でもいかない。
だからこそ、一つでも多くの答えを探して、触れて、真実に迫りたい。

そうは思いませんか?


もしそう思いましたら、私も同じです。是非是非多くの書籍に共に触れていきましょう!
当サイトでも苦心しながらも読んで学んでいきます。

オススメは沢山あります。

面倒の数だけ、あなたに成長がある。
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ガチで独創的に読んでくれたあなたに謝謝。

「「人の動かし方」が上手な人・下手な人」。組織人や営業マン向けの処世術の本。人心掌握というほどではなかった。」への1件のフィードバック

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