ガチで独創的なレビュー:「デジタル対面営業 SCREEN to SCREEN Selling」(後編)


ここまでお読み下さり有難うございます。 
前編からの続きです。

2分でわかるガチな概要は前編で。

総合評価★★(2.9)
(理由は前編の概要にて記述)




非常にマニアックなデジタルの本。

テクノロジーを駆使し、画面を通して見えない相手に売る・取引するというコンセプト。
限りなく展開されるツール等の説明には取っ付きにくさも否めませんし、読む人を選ぶことは正直にお伝えしないといけませんね。

ですが、基本的には営業の本でもあることから人間味のある内容。
人間を忘れさせはしません。

デジタルの大切さ・便利さを強く追及する一方で、人対人であることを思い知らされていきます。
どのようにデジタルと向き合い駆使していくのかのマナー本の趣も。


前編ではそんなマニアックな部分と、人としての営業の本という所に焦点を当ててレビューしました。

もしあなたが本気で知りたいという場合、ここからお読みでしたら、
まずはより良い伝達の為に前編の概要を読む事をオススメします。
というか、いきなり後編を読んでもあなたのお役に立てないのです。




忘れてはいけないことも沢山。

テクノロジーに溺れたり、テクノロジーのせいにしてはいけないと。
そしてまた便利さの果てにあるのは、あくまで世のため人のためであるという論理。


顧客のため。スタッフのため。

著者が冒頭でメリットとしてあげたコストや労力の削減という大義名分も、最終的には人に還元される重要な論理。
人としても組織としても常に対策を練り、面倒を避ける努力。

デジタルを駆使することで総合力を上げていく盛り沢山な内容へと移っていきます。
デキる人・デキる企業への道。

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デキる人の仕事術。


こんな人物に憧れませんか?

アマチュアはテクノロジーが動作しないとテクノロジーを非難し、インターネット接続が遅いと悲観的になり、他人の時間を考えずにトラブルを直そうとする。同じ状況に置かれても、プロは、予測できなかった窮地のダメージをセーブラインを使って最小限に抑える。(p179)


前編のラストで触れたテクノロジーのデメリットとその対処法。
スマートなやり方を本書で伝授。

テクノロジーを使いこなせることが素敵なのではなく、その中でどんな対応も出来る人間力が必要であると、著者は逆説的に伝えていきます。

ブリーフケースから適切な契約書を取り出し、多くのファイルにさっと目を通し、「それは違いますね」と言う、できる人と同じだ。(p194)




本書全体を通して、ツールの使い方や説明が淡々と進んでいくことは前編から変わりませんが、その裏で言わんとしていることの変遷にもあなたは気付いていくのではないでしょうか。
主観ではそこに面白さを感じさせます。

あなたにとって最も良い時間の使い方は顧客に対応することであって、テクノロジーで遊ぶことではありません(p201)



モバイル会議。視覚の重要性。


デキる人の会議術の様相も呈しながら、商談の項も終わりに差し掛かります。
そこでは視覚の重要性を基にして、プレゼンテーションの方法を学んでいきます。

価値を言葉で伝えたり、視覚的に強調したりする(通信コストが低い、利益が大きい、使いやすい、など)とき、視覚資料が役に立つ。取引を終えるときには、販売に関して支払う手数料よりも受け取る価値の方がはるかに大きいことを、顧客の頭に強く印象づけられるからである。(p159)


再び現れる新たなツール達との出会い。

本書の大部分で扱っているのは、離れた場所にいる顧客とスクリーン・トゥ・スクリーンで会議をする状況である。しかし、同様のテクノロジーを、会議室での対面会議や、顧客と1対1の商談、薄型テレビやプロジェクター用スクリーンを使用した会議などで使う機会もある。(p187)


ただやはりモバイルで会議という話そのものには、悲しいかな、ついて行けない私がいます。
あなたは如何ですか?



夢もありますが、まだまだ多くの壁があるテクノロジーという概念も否定出来ずに、ラストのフォローアップへとページを進めていきます。


組織やスタッフの心掛け。


準備、商談、フォローアップと大きく3つの流れで展開されてきた本書。
最後のフォローアップの章ではテクノロジーを使う上での運営論も。



もしあなたの会社が、何か1つ競合他社と違ったことができるとしたら、私が勧めるのは、最新のテクノロジーを使ってカスタマー・エクスペリエンスを向上させることだ。(p252)


企業として、どのような方針の下にそれらを使いこなしていくのか。どう考えるべきか。
デジタルの話は相変わらずなものの、ほんの少しだけ営業とは離れ、企業としての在り方に話がシフトしていきますね。

営業やテクノロジーのトレーニングに投資する前に確認すべきことがある。適切な人々に最善のシステムが稼働していると仮定して、あなたは、正しい方針でそのリソースを使っているかどうかだ。(p281)





どんなツールを使っていくにしても、企業倫理が完全について行かないと、それはリスクにしかならないと教えられていきます。特にフォローアップは関係構築には欠かせないものですので、その傾向は顕著に。

対顧客のみならず、スタッフ同士の間でも、意志の統一が無いと使っていくことは難しいのかもしれません。
少なくとも結果を出す使い方としては。


何故使うのか?
何故この手段なのか?

その答えも常に用意しておくことが、これからの時代の企業の成熟度と言えるのかもしれません。

言い換えると、会社が非常に高い目標を持っていても、チームのメンバーが通常の勤務時間外に、より速く、より優れた仕事のやり方を追求しなければ、成長は止まってしまうということだ。(p289)


最後は企業の戦略としてのウェビナーの説明で幕を閉じます。
完全にデジタルでお腹一杯。
全部読むと、しばらくテクノロジーのことは考えたくないという気にもさせるほどの分量でした。

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オススメしたいものが他にも沢山。


本書を推している企業があります。

東京の営業コンサルタントの会社です。

https://trights.co.jp/blog/2017/01/05/post-4440/

こちらの会社のコラムでは、まだ翻訳されていない原著の段階で本書を推薦。
見てみると、
「テクノロジーを取り入れてB2B営業を加速させる!」
のタイトルの箇所で原題が。

  • Screen to Screen Selling: How to Increase Sales, Productivity, and Customer Experience with the Latest Technology(Doug Devitre, October 23, 2015)


推しています。
かなりコアで広い情報網ではありませんか?
オドロキです。
参考にしてみて下さい。

オススメの書籍。


基本的には営業の本で、人対人に変わりはないと冒頭でも触れました。
本書は対応の媒体がテクノロジーになっただけと暗に意味されてもいます。



「秘・人脈活用術」


そこで人に特化した営業術としてこの本。

人間力を高められる内容でもありますので、テクノロジーだけにとどまらない幅広い顧客対応が学べます。




「お客が集まるオンライン・コンテンツの作り方」


ここで紹介している本書「デジタル対面営業」の一番最後に出てくるウェビナーの箇所。
ウェビナー戦略はこのコンテンツマーケティングの本でも重要なものとして取り上げられています。

この本でもオンラインに関するものが盛り沢山で出て来ますので、もっと深めたい場合には最適です。


その他にも本書でかなりの書籍が引用されています。
個人的に気になったものの一部はこちらです。


「最強交渉人が使っている 一瞬で心を動かす技術」

マーク・ゴールストン


商談のパートの最初で引用されています。
交渉・プレゼンテーションに特化した書籍のようですので、個人的には興味があります。





「学習する組織
-システム思考で未来を創造する-」

ピーター・ゼンゲ


企業倫理の箇所で、協力と学習を中心とした企業文化を作る方法について述べているとのことです。





「究極の鍛錬」


この書籍は、同じダイレクト出版の「10年勝ち続ける最強チームの作り方」でも取り上げられています。
そこで興味を持ち購入しました。

「究極の鍛錬」というタイトルですが、本書「デジタル対面営業」の中では「才能が過大評価されている」という原題の直訳に近いタイトルで記載されています。
人材の評価の項で紹介されています。



ここで、ちょっと立ち読み。



やはり所々にテクノロジーに関する言葉が出てくるのが見て取れると思います。


値段比較をしてみた。

まとめ。


この最新テクノロジーを使えば、世界中の人が顧客になる!

そんなスローガンに私自身はとても興味はあります。

ここまでお読みのあなたもそうであろうと思います。


WEBやテクノロジーを駆使することはもの凄く楽しい。そして私たちに可能性を感じさせます。

ただ、今はまだその広がっていく様を眺めているだけしか出来ません。黎明期を出るか出ないかの所なのだと個人的には思っています。


現時点でも営業の方と接してお話しする立場にありますけども、テクノロジーのテの字も出て来てないのが現状です。

こういうもの(テクノロジー)があるのだという理屈はわかります。
例えば、離れている両者が同時に見ることの出来るホワイトボード等。

現代の想像をあまりにも越えているわけではなく、普通に現世に生活していればあり得るテクノロジーだとはわかります。
江戸時代にインターネットを見せつけられるような突飛さはなく、せめて第1次東京オリンピック(1964)の頃に鉄腕アトムを見ているような領域でしょうか。

頭ではわかっていても、実際に使いこなす立場となると、その意味では実感が沸きにくかったことと非常に高度な内容が★★の評価にさせました。

ダイレクト出版の他の書籍と比べてみても、ページ数が多く分厚い本で、その内容もついて行けないくらいに盛り沢山だと感じさせます。
デジタルやテクノロジーだけでなく、それを取り除いても営業や企業倫理の本としても内容は濃いと思わせます。

ただ、そこを目的とするならば他の書籍がベストでしょう。



さて、私事ですが、仕事の中でタブレットをポートフォリオ代わりにするといったようなことは現実に取り入れつつあります。
その程度ではありますけども、軽量化として役立っています。
そういう形も今後もっと増えていくと思いますが、まだまだハイテクとアナログの狭間です。

海外とのやり取りも時折ありますが、必要なデータの授受だけでも過去から考えれば有り難く思います。
何事も一つ一つの歩みかもしれません。

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ガチで独創的に読んでくれたあなたに謝謝。

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