ガチで独創的なレビュー:「時間投資思考」(後編)



ここまでお読み下さり有難うございます。 
前編からの続きです。


2分でわかるガチな概要は前編で。

総合評価★★(2.7)
(理由は前編の概要にて記述。)




要はアリとキリギリス。

現代版。


「時間を膨らます」「時間を投資する」という表現は、一見不自然に感じますが、その真意は「将来的意義のある事柄」にフォーカスして時間を使う事。

シンプルで理に叶った基本概念の一方で、抽象的で難解な表現から始まります。
その2つのジレンマからオススメする事はしません。

ただせめて、このサイトのポリシーにつき、良くないなら良くないなりに建設的なレビューはします。
良い所を知る為に、このレビューで十分なように展開していきます。

その理由は本が好きだからです。そして、お読みのあなたに何らかの役に立つように。



前編ではそんなジレンマと抽象論の是非に焦点を当ててレビューしました。

もしあなたが本気で知りたいという場合、ここからお読みでしたら、
まずはより良い伝達の為に前編の概要を読む事をオススメします。
というか、いきなり後編を読んでもあなたのお役に立てないのです。




時間の使い方には、一見エゴが入る。

難解な序盤を越えて中盤以降に差し掛かる。
そうすると、時間を使う事は自分を大切にする事とも言える展開になっていきます。

これが「5つの許し」を自らに与えるとの表現。

表向きエゴイスティックなように感じるこの表現。
ですが、最後尾の内容で、実は真逆の結論が露わになっていきます。

ただその結論も、よくよく考えてみると、もしかしたら誰もが考え付くような事かもしれないとの懸念がありますね。

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あなたは自分の時間の為に
「No」と言えますか?


この言葉は、自分の時間を守る武器。

でも誤解はしないで下さい。

著者は自らの体験を含め、穏便に使う方法を追及しています。
同じ「No」を使うにも、相手を思いやり、逆に喜ばせさえする言い方。

仕事をしていて、断るのが上手な人は良い仕事をするとも言われています。

これが本書で一貫している、やるべき事に焦点を当てるテクニックの1つとも言えます。
そんな自分を許していいというコンセプトの「5つの許し」ですね。

今この本を読むことに「イエス」を言っているあなたは、その時間にできただろう無数のものごとに、知らないあいだに「ノー」を告げている。(p95)


だから、同じ事だから弱気になるなとの励ましも。
半分を占める中盤の「5つの許し」は、自分の時間を守る事に弱気になる人への励ましと捉える事も出来ます。

あなたは自分の時間、守れていますか?



ただ、気を付けなければいけない事は、守り方にもコツがあります。

この考え方はやみくもなものではなく、ラストに向けての伏線。
そのラストは農家の話から始まります。


農家と酸素マスクが時間管理のヒントの。


究極の姿。

収穫期には自分の感情がどうであるかに関係なく、彼らは収穫量が最大になるような考え方をする。(中略)あとでたっぷり自由時間が持てるように収穫期には倍の時間働く、という思考法だ。(p203)

自分の時間を守る事に許しを与える事は、最高の自分でいられて、逆に人々の為になる。
その最高の自分で最高のパフォーマンスをしなければならない。その循環。

私たちは他の人々の優先事項ではなく、自分の優先事項にフォーカスする事を認めてこなかった。(中略)だが、他の人々への最高の責務は、最高の自分でいることだ。(p212)




あなたはこんな話を知っていますか?


あなたは飛行機に乗っています。
機内でトラブルがあり、酸素マスクが落ちて来ました。

あなたの隣には子供がいます。
(ご自分のお子さんでもいいですし、他人のお子さんでも構いません)

想像してみて下さい。

勿論、子供は付け方がわかりません。
この時、あなたとお子さん、どちらに先に付ける事が良しとされていますか?
航空業界での常識になっています。

先程の結論と照らし合わせてみて下さい。



実はこの答え、
「自分がまず先に付ける」

その理由を言う前に、子供に先に付けた場合の事を考えてみましょう。

もしあなたが装着に手こずっている時に、子供は手助けしてあげる事が出来ません。
あなたが先にキチンと装着したのなら、子供にも他の人にも手助けしてあげる事が出来るという論理です。


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自分に時間を投資する事は。


巡り巡って人の為になる。

これを信念にすると、すべてが解決すると言っても過言ではありません。
しかしながら、私個人の主観になりますが、この考えでやってきました。

こちらの記事でも触れています。


自分が頑張る事が、人を幸せにするよね、と。

周囲で何を言われても、この考えだった事は否定しません。
相手もエゴで考えるのではなく、建設的に考える度量が必要になってくるのではないでしょうか。

時折言います。
なかなか会う事が出来なくなった友人に。

「ちょっと専念したい事がある。
独りで考えたい事がある。
戦争にでも行ったと思ってあきらめてほしい。
でも、それだけの人物になって現れる努力はするから。
嫌なら去ってもらって構わない」。




そして、ちょっと立ち読み。




値段比較をしてみた。

まとめ。


本当は時間管理術において入門編の内容。

噛み砕いてみてそう感じました。そして難しいレビューでした。
正直に言ってしまうと、バリバリやってきた人には当たり前過ぎて向きません。
または、経営をしている側の人間の思考回路としては、割りと既に備わっている考えでもありました。

読んでいくうちに、その意味で薦められない視点もあったかと脳裏で付け加える結果に。

一方で、入門編としたい割りには、抽象的で難解な所に疑問を感じてしまう心が未だ消えません。



自分に感情面での”許し”を与え、明日の時間と成果を生み出すものごとに今日の時間を”投資”し、それによってあなたの時間を”マルチプライする”こと。(p244)

入門編の思考確立としては悪くなかっただけに惜しく思われます。
本来名著と言われるものには普遍性があり、少なくともこれまでの経験では、このレビューで頻繁に触れてきたジレンマは無かったように思います。

「簡単な事を言っているのだけど、難解」のような。


時間を増殖させる考え方。
そこには、どこかストイックさがあって、尚且つ「いい人」をやめるべきだとの考えが眠っているようにも感じました。

そう思うと、本書の「許し」を与える事には、思考に加えてメンタル的なものも必要です。
自分の時間を選ぶ事に対する勇気。
場合によっては、他人に後ろ指をさされる覚悟。

メンタルはともかくとして、この思考を読みたいのでしたら、特別な事柄ではないので、和書等でもわかりやすい物は出ています。
もっと言ってしまうと、小難しくしてしまうよりも、まとめサイト等でも読む事は可能です。

また、経験によって鍛えられていくでしょう。

ダイレクト出版

ウルトラスーパー「アリとキリギリス」。


最後に:
 
原題は “Procrastinate on Purpose”

「わざと先延ばし」。

その心は、だらしなくなるの意味でありません。
優先順位を付ける事、そして何故それに優先順位を付けるかの追及ですね。それもあなたへの許し。

窮屈になりがちな仕事生活の慰めとの言葉にも聞こえます。

今のあなたには時間の余裕がありますか?

もし無いとすれば、あなた自身に、あなたが許しを与えてみては如何でしょうか?
恐らく、許さずに頑張ってきた事の裏返しかもしれません。
加えて、やるべき事に焦点を当て、いつか人を喜ばせて豊かな生活をと思っているのならば尚更です。

「アリとキリギリス」のアリの真冬生活のように。

ウルトラスーパー「アリとキリギリス」。
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ガチで独創的に読んでくれたあなたに謝謝。

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