ガチで独創的なレビュー:「現代広告の心理技術101」(後編)



ここまでお読み下さり有難うございます。 
前編からの続きです。

2分でわかるガチな概要は前編で。

総合評価★★★★(4.8)
(理由は前編の概要にて記述。)



広告・コピーの進歩は、
人間の進歩。

人間の心理を深く考える事で、
広告の本質に触れる。



そして人は動く。購入する。
あなたの金銭に換わる。

前編で広告学部の一年生に入学するようだとの例えを使いました。
じっくり学ぶにはオススメの本、「現代広告の心理技術101」。

ただ、広告だけに囚われる事は危険で、やはり心理を永く見つめ続ける事が必要不可欠であるのはお伝えしなければなりません。

その心理も聞き馴染みのあまりないであろう消費者心理学。


外部では批判や酷評が多い中で、私は良書だと思い当時から今まで役立てています。
広告を絵的に見ても文的に見ても、人間の心理や五感そのものに立ち返って考える展開にはブレが全くありません。


前編ではそんな広告の本質に必要な心理に焦点を当ててレビューしました。

もしあなたが本気で知りたいという場合、ここからお読みでしたら、
まずはより良い伝達の為に前編の概要を読む事をオススメします。
というか、いきなり後編を読んでもあなたのお役に立てないのです。


広告は対人スキル・心理全般に活かせる。

心理パターンにしても多過ぎるので体得するのは気が遠くなります。
ですが、一度体得してスキルにしてしまえば、広範囲での進歩になるといっても過言ではありません。

活字の世界だけではなく、トークにも活かせるのでは。


そしてまた本書自体が広告やコピーライティングそのものな感じも。
著者もあえてその技を盛り込んでいる事をそれとなくアピール。
遊び心があります。

そういう気持ちも大切なのでしょう。
私もデザイン業をしているのでよくわかります。
ただあとは実践次第です。

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一番印象に残った脳と広告心理の仕組みは。


「脳の中心回路と周辺回路」。

これはどの分野でも頻繁に使われている言葉です。
人は脳の中心回路を通ってモノを見た時に、好きになったり、永く買い続けたりする。周辺回路は一時的なもの。


例えば、想像してみて下さい。
あなたの目の前に美人(美男子)で歌がものすごく上手い歌手がいるとします。



この時あなたは何処を見ますか?

ルックスを見ますか?
歌そのものを見ますか?

前者は周辺回路。後者は中心回路。
永くファンになる人は、脳の中心回路を通った人です。


昨今謳われているコンテンツマーケティングというものも、如何にしてファンや顧客様の脳の中心回路を通らせるかの活動とも言えます。
核心を知って、伝えて、好きになってもらう為。

ブランディングにも活かせる根源的な考えです。
本書は他にも膨大なヒントがありますが、つぶさにお伝えし切れないのが残念です。

そしてさらに、


広告の神様、現る。


買ったからには一冊からより多くのものを得たい。
そんなサガの下、個人的に気に入った特典をお伝えしようと思います。

本書の一番最後の付録において、著者が推薦する他の書籍の一覧があります。


本文中でも割りと多くの参考文献が出てくるのが本書の特徴の一つかも知れません。
こういう横の繋がりは主観ですが有り難く感じますね。

その中で気になったものを。
あなたにとっても参考になれば幸いです。

まず、広告の神様。
世界のベストセラー。



「売る」広告[新訳]



変な宗教みたいな怪しい話ではないですが、「広告の神様」と呼ばれているデイビッド・オグルビィ氏。

本書の中でも彼の名前も名言も頻繁に出てきます。著者に影響を与えた人物なのでしょう。
何回も出てくるので覚えてしまいました。

主観では、リサーチをする中で彼の思想と仕事に興味を持ったので購入を検討しています。
だいぶ古い本で改訂を重ねて今に至るらしいです。

※後日追記:購入したので記事にしてあります。


ちなみにダイレクト出版の代表・小川氏も月刊誌の特集でこの本を尊敬する本として推薦。



広告のからくりを見抜く本。

 



プロパガンダ
―広告・政治宣伝のからくりを見抜く



私はプロパガンダには昔から興味を持っていました。

わずかなフレーズで人を動かすインパクト。

アート関連の歴史をたどっても、プロパガンダを携えながら歩んできたものもあります。

その話はここでは割愛しますが、それらをデザイン業の中で使ってきました。
広告のみならずプロパガンダという明快なものを改めて学んでみると、思考がシンプルな訴求力に変わっていくと思っています。

似た書籍はこちらにもあります。お手頃な価格の本だったので先に購入してしまいました。

こちらのレビューでも、シンプルな訴求力というアプローチ。


こちらも社会心理学のベストセラー。




影響力の武器



これは言わずと知れたベストセラーですね。私も持っています。

社会心理学の本で、やはり本書の中でも度々引用。
思考を深めれば、間接的に広告は勿論の事、人心掌握やネットワーキングにも応用出来るかと思っています。


そして最後は本書の立ち読み。


様々なキーワードが目に入ります。


広告やコピーに目が行ってしまう癖がつく。


常に分析が待っています。常にヒント探し。
学べば学ぶほど。自分でも笑いが。

でもそれがスタートライン。

何故印象に残るのか?
何故読み進めてしまうコピーなのか?

そんな日常の中、ある広告が目に止まりました。


サン○リーの健康食品の広告なのでそれなりに気合入れて作っているのが構成でわかります。

注目したのが、タイトル(ヘッドライン)のターゲティング。
読むべき人と読むべきでない人とを見事に分類。これが始まり。

そして成分等を書くのではなく、本書にもあったメリットを記述。
要約されたサブタイトル。

・・・何気なく見過ごしてしまう類のものですが、完成度は高いと思っています。

このように、

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世にある広告が二次的な教材となるのも面白い。


しかもお金が掛からない。

一次的な教材として本書を何度も読んだ上での気付きでしょう。

私自身の失敗談では、最初の頃、強烈な売り込みになってしまった思い出もあります。
ですが、うわべのテクニックではなく、時間を掛けて本質を噛み砕く事で徐々にコツを掴んでいく自分を感じています。

本書を読んだ後、あなたも新聞記事やDM、そして広告に目を向けてみて下さい。見抜ける事が楽しくなるでしょう。



値段比較をしてみた。

まとめ。


広告学部一年生。

前編の概要でそんな表現を本書に用いました。


入学したての人間のように、
一度読んだだけの当時はわかっているような気になっているだけでしたが、実践の中で2度・3度読んだ今、やっとスキルとなり始めたかなというのが正直な感想です。

その実践というのも、実際の仕事の中でリアルに顧客様とのコミュニケーションを重ねてきました。SNSでもです。
そうやって言葉での繋がりを体感し続けています。


時間を必要とする事は、それだけ強固で高度な事がまとめられているからなのかも知れません。
やっと2年生に進級ですかね。

一部アマゾンのレビュー等ではかなり辛辣な否定意見が出されています。
職種やバックグラウンドによって捉え方が変わるので致し方ないと思います。


ただデザインに従事している私からすると、うわべの即効性のありそうな事ではなく概念や原理に触れられる良書だと思っています。
わかっていそうでわかっていなかった事が活字として自らの身に刻めた事は良かったです。



ところで、

「ダン・S・ケネディが教える
小さな会社のためのマーケティング入門」



本書「現代広告の心理技術101」の著者ドルー・エリック・ホイットマン氏もダン・S・ケネディ氏に負けず劣らず過激です。

彼も本書に書いてある手法をセールスレターに取り入れていますので、興味のある時は実践編として読んでもいいかも知れません。
実際のセールスレターの写真もあり参考になります。


また本書は洋書の翻訳です。
言い回しがアメリカンな所も多々見受けられて違和感を感じるかもしれません。
その場合は、言わんとしている事の真意を汲む必要があるかと思いますし、それが本質を知るトレーニングにもなるのではないでしょうか。

人のやる事は皆同じ。


万一(排他的な言い方をするつもりはありませんが)、日本人の感性に近付けて考えたい場合はこちらの教材もオススメです。
コピーライティング限定ですが、日本人の作成という事もあり試しに今実践中です。

「The Million Writing (ミリオンライティング)」


軽く触れますが、多少内容が被る箇所が出てきます。
ただ具体的にどのように書いたら良いかわからない時に、実例の分析が多くあるのですぐにでも取り掛かれる内容です。


ダイレクト出版

広告学部一年生。ペンで剣より強くなれ。




最後に:

やはり広告産業は本家はアメリカなのでしょうか。


日本語の言葉の感性やリズムを重んじたキャッチコピーも嫌いではないのです。
しかしながら、何が大切なのかという原点にシンプルに立ち返ると、やはりストレートな物言いや、プロパガンダ的な要素が勝ったりするのも事実です。


皮肉にも、歴史が証明しています。

自身の海外生活でも心の片隅で実感していました。



何故かな?
語学を習得している最中にも、そのヒントを探しました。

その答えは、

人種のるつぼの中だからこそどのようにして伝えるのかが、無意識の中で鍛えられているのかもしれません。
肌の色も、出自も、言葉も、宗教も皆違う。
皆が違う事が社会の大前提。

違うから伝えなければいけない。明快に。
広告やコピーというのもそこから始まるのでしょう。

日本の文化のように「察し」や「言わなくてもわかる」事を重んじるのも素敵な感受性で否定はしません。
ただ広告や伝達という観点で見た場合、あえて時に心で戒めないと前に進めない性分である事も考慮しておかなければなりません。



そんな事も考えると広告やコピーライティングの可能性も感じ面白くなってきました。

そしてまたその本質である心理を知る事も仕事を楽にさせてくれます。
発信する側になっても、受信する側になっても冷静に見抜く事が出来るようになるのは日常生活でも大きな武器になり得ます。

想像してみて下さい。
人の心理を見抜く事が気持ちを楽にする事を。
動じない自信になる事を。

加えて、言葉(コピー)に歴史や世の中さえも動かせる強力さがある事を実感させてくれたような気がします。

まさに「ペンは剣より強し」。

広告学部一年生。ペンで剣より強くなれ。
「現代広告の心理技術101を見たい

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ガチで独創的に読んでくれたあなたに謝謝。

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