ワンクリック詐欺の本、
ではありません。
そもそもそんな本は出せません。
原題は
“Trust Funnel”。
「信頼のじょうご(または漏斗)」。
これはマーケティング用語の”Sales Funnel”をもじって、
「信頼の絞り込み」といった所でしょうか。
むしろ冒頭のジョークとは真逆です。
それはわかった。
それで、どんな本か?
コンテンツマーケティングの一つ、
ブログ等のインターネットビジネス、及びマーケティングについて書かれています。
アフィリエイトと言ってもいいでしょう。
ブログで価値あるコンテンツを作り、資産にして、人を呼び込み、収益にしていく為の非常に具体的な内容です。
もしあなたがインターネットビジネスをやってみたい、
あるいは興味があるという場合は、この先を読み進めてみて下さい。
あなたにお伝えしておきたい事があります。
はっきり言おう。信頼を築けば、売る必要はない。単に製品やサービスを勧めるだけで儲けられる。(p12)
実は全体を通して、「信頼」というものが根底のテーマです。
だから、
“Trust Funnel”。
なるほど、そういう事だったのか!
もしかしたらインターネットビジネスというのは仮の姿にも見えてきます。
相手の姿形が見えない世界で、人を呼び込みビジネスをするには手法もだけど、それより信頼が必要不可欠。
ブログの作り方等にも触れながら、如何にして信頼に漕ぎ着けるかのビジネスの基本にクローズアップしています。
著者のブライアン・G・ジョンソン氏は、なかなかに熱い方でした。
成果も出にくく弱気になりがちなインターネットビジネスで、励みの言葉の数々をあなたは目にするかもしれません。
誰もが奇跡が起きる前に ”諦めてしまっている”。(p67)
Contents [hide]
本書の概要と評価。
「ワンクリック・キャッシュ戦略」
ダイレクト出版
信頼されてクリック。その向こう側へご招待。
(理由は概要にて記述。)
実はこの本、ダイレクト出版の月刊新書にて送られてきたもので、自らの意思では購入していません。
月間新書一覧はこちら。こんな本がラインナップされています。
今思えば食わず嫌いでした。
最初はあまりピンと来るものが無く、そのまま保管。
その理由は、
ブログを作るにあたっての横文字のオンパレードがひどく億劫に感じられたからです。
特別パソコンに詳しいとも思っていない私自身にとっては、何かプログラミングの本のようだと。
だいぶ時は立ち、インターネットビジネスの本をまじまじ読んだ事が無かった事もあり手に取ってみる事にしました。
一応ブログやHP、SNSの運営はしているものですから。
すると、ブログの作り方の懇切丁寧な手法・解説と、使えるネタが思いのほか多い事に気付き、早々と読み進める私がいました。
後にWordPressを使おうと思ったキッカケの1つにも。
概して、どうやらブログだけではなく、コンテンツマーケティング全般や発信に使えそうだと見ても良さそうですね。
著者も技術的な事だけに終始するのではなく、ビジネスとして確立する精神についても言及。
意外と良書でした。
ただ、星の評価は迷います。今も迷っています。
その理由は後ほど。
もしあなたがインターネットビジネスに
不安を抱えているのなら。
不安を抱えているのなら。
成功を手にする人間は険しい道を進んでいる。(p69)
未知の世界に対する恐怖が、多くの人の成功を妨げてきた。(中略)やりたくないことをやるときこそ、奇跡が起きる瞬間だ。(p69)
冒頭ではそんな人生論や哲学から入ります。
そしていくつもの愛情や励まし。
啓発的な内容。心を奮い立たせます。
あなたは大丈夫だ、と。
否定する人の言う事なんか聞くな、と。
熱い。本当に熱い。
著者自身が酸いも甘いも経験してきた事を次なる世代に伝えていこうとする想いが見て取れます。
失敗に泣いたエピソードはその最もたる例です。
インターネットビジネスは潜伏期間も長く成果もなかなか出ないビジネス。
もっと言えば、始める事もやめる事も簡単でリスクが無い。
そんなビジネスに臨むにあたっての心構えを力説しています。
更には毎日の習慣作りや時間管理までとストイック。
最終的にユーザーの助けとなるもの、ウェブに価値を提供するものをつくり出していくことである。コンテンツが役に立つものであれば、それこそが真に価値あるアセットだ。(p62)
まずは価値を提供出来る情報源になる事。何度も何度も出てくるこのフレーズ。
どのビジネスも例外無くこれにつきます。
WordPressの手引書?
心構えを確立した後の流れは、
- パーソナルブランディング・ブランド名の付け方
- WordPressのインストール方法から始まり、ブログの効果的な構成
- ソーシャルメディアを使った広報・マーケティング
- Youtubeや電子書籍の作成法
中盤で、本書の厚さ4分の1を使用して、WordPressの取り組み方へ。
これが実に丁寧過ぎるほど丁寧。
ただ、わかっている人には不要でしょう。
こうして言葉にすると一連の無駄のないマーケティングの流れです。
個人的にはブランディングやブランド名・ロゴ製作まである所に本気度の高さは感じます。
一方で、私はデザインの仕事をしてきた事もあり、読み流す程度になってしまいました。
万一あなたがそういった事が苦手な場合には、その一貫して丁寧な内容は役に立つかもしれません。
名前の付け方(ネーミング)というものも、著者が強調する信頼やターゲティングというものに大きく影響する事は私からもお伝えしたいです。
ブログを作ったら、発信とマーケティングへ。
時折ハジケている著者が現れます。
私みたいにとぼけた真似をしろというのではない。私が言いたいのは、自分らしさを出せば出すほど望ましいということだ。自分なりの声を見つけ、それをさらけ出すことがいちばんである。(p89)
Youtubeを使う事は割りと今では一般的ではありますが、電子書籍の作り方とまでになると、読む人は限られてしまうかなという懸念はあります。
私は全く興味が無かったのですが、ちょっと何か考えてみようと思い始めている所です。
本腰になった時は再度読む事になるでしょう。
この本自体が
著者ブライアン・G・ジョンソン氏の歴史。
著者ブライアン・G・ジョンソン氏の歴史。
一連の流れで紹介される彼の実際のコンテンツのクオリティが上がっていく事に気付かされます。
黎明期のショボいものも遠慮なく公開。
自らが信じた事を健気にやってきた様を知る事で好感が沸き起こります。
このように歴史をさらけ出す事も、コンテンツマーケティングでは重要な要素だと暗に教えられました。
そのキーワードは「親近感」と「信頼」。
後ほど、実際の動画も探しましたので載せておきます。
そして最終評価は。
重要な2通りの評価方法があります。
- もしあなたに、そのインターネットビジネスやブログの作り方の知識が既にある場合は、
それを土台にインターネットを調べればわかる内容。
それらが一冊になり、若干専門的で掘り下げてある。
本気度は高く、その辺がビジネス洋書らしいですが、無理して買う事は無い。
その場合は★★(2.2)。
(実際私は、興味を持ってから本書と共用でインターネットで調べれば調べるほど、
非常に丁寧で良書であると思う一方、この本の評価が下がってしまいました。) - もしあなたが始めて間もない人、これから始めようとする人の場合は、
マインドから土台・解説までを丁寧に書いてあるので一冊持っていても損は無い。
逆に内容が深く濃過ぎるくらいなので、中途半端なら不要。
ビジネスに対しての心掛けや概要をプロの視点から書いてあるので、その重みを知る事が出来る。
その場合は★★★★(4.4)。
そのような訳で、平均で★★★(3.3)の評価をしました。
お読みのあなたの立ち位置はどの辺でしょうか?
ここで「ワンクリック・キャッシュ戦略」を見たい
ブライアン・G・ジョンソン氏は
こんな感じで活動。
これが著者の展開する動画マーケティング”Trust Funnel”の一例です。
“自分の持ち札で精いっぱいプレイする”ことに集中しよう。(p194)
顔や声を出す事の重要性。
またそうは言わずとも、何らかの素性を伝える努力。
本書ではその部分にも言及しています。
初めてYoutubeにアップロードするための動画を撮影したときのことは今も覚えている。(中略)私と同じように、あなたも何はともあれ始めてみてはどうだろうか。(p87)
あなたはこういうものを見た事はありませんか?
野菜を買いに行った時、商品に写真があるものを。
「私が作っています」
インターネットのみならず、顔が見えず素性のわからない相手である事に人は不安を抱えます。
悲しいサガと言ってもいいかもしれません。
裏を返せば、見えるという事は安心感をもたらします。
こうする事で彼自身の書籍への安心や説得力をも増すという、彼なりのブランディングなのでしょう。
では何故、安心や信頼にクローズアップするのか?
誰もがヒーローになれて、
誰もがイカサマ師にもなるのがオンラインの世界。
誰もがイカサマ師にもなるのがオンラインの世界。
人は不信感で溢れているからです。
別の書籍の著者ダン・S・ケネディ氏の言葉を借りれば、
「イカサマ師がはびこるインターネットの世界」
「ダン・S・ケネディの世界一ずる賢いフェイスブック集客術」より
そんな中でも著者は誠実な方法でヒーローになる事を頻繁に鼓舞しています。
悪戯な事はするなと警告も。
ばかな事に手を出してはいけません。絶対に失敗します。それを忘れないでください。システムの裏をかこうとしても無駄なのです。(p200)
行き着く所は、
コンテンツを磨く事と、自分を磨く事。
その理由は言うまでも無く、
ブロガーやユーチューバ―もビジネスマンですから。
時代が認めていなくても、ビジネスマンの自覚は必要です。
冒頭で人生論や哲学から入ったのもそれが理由でしょう。
そもそもビジネスと名の付くものは人間形成・生き方そのものだと私は思っています。
本書だけでなく、
インターネットビジネスに関する文献では一律に、如何にして信頼・信用を得るかが書いてあります。
その頻度は、繰り返さなければならない事をお詫びしなければならないくらいです。
人として、
キチンとした仕事をして、キチンと何らかの価値を提供する。
だからファンや顧客様が付く。人として信用・支持される。
その論理は至極当然のものと認識しています。
だからビジネスは人生論にもなりうる。
著者は人生論を通して、改めてそこを考えさせてくれます。
ブログをキャッシュマシンにする戦略のはずが。
当初思っていたほど、お金にまつわる事や戦略は出て来ません。
タイトルの和訳はインパクトがありますが、誤解を招きます。
そこが惜しい。
基本的にはマーケティング手法の本です。
お金にするかしないかよりも、総じてその前段階の土台を言っています。
ただお金を儲けることだけではない。私は本を出版して影響を与えたいと思っている。(p67)
そこでWordPressを使った収益化に近付ける緻密なブログの作り方が登場。本書のメインです。
私は本書片手に検索の日々でした。
せっかくだからフル活用。
もしあなたが本書を手にした時、
マーケティングの応用を利かせれば、オンラインだけではないリアルの世界でも使える内容だと言わせて下さい。
何故ならば、
たまたま本書ではブログを媒体としたマーケティングを述べているだけです。
そのブログにあたる部分が入れ替わっても(例えば一つのオンラインショップと考えても)、違和感のない原理が書いてあるからです。
ただその場合は、そのものに特化したものを読めば良いのかも知れません。
でも、こうは思いませんか?
「自分はいきなりショップは持てない」
「起業は大きすぎる」
だから、
「一個人をブログから発信して、マーケティングしたい。広めたい」
それならば、初心者や始めて間もない方には最初の一冊としていいですね。
ブロガーの世界の美しき点を言えば、
誰にでもチャンスがある事。
これは綺麗な謳い文句では決してなく、事実です。
何だか憎めない著者の熱さに、時折笑みを浮かべながら、技術的な核心に突入です。
もうちょっとガチで知っておきたいから後編を見たい
信頼されてクリック。その向こう側へご招待。
「ワンクリック・キャッシュ戦略」を見たい
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