より多くの粗利は得たいですよね?
同じ労力を払うならば。
あなたがもしそう考えるのなら、人として当然の事だと思います。
ならばどうするか?
その価格以上でも買いたいと相手に思わせる存在意義が必要です。
例えば、思い浮かべてみて下さい。
あなたが高い金銭を払ってでも買ってしまうもの。または欲しいもの。
何かありますか?
車・時計・お菓子・ファッション。
それだけではなく、何気ない日用品。他にも沢山、選択肢があるはずなのに選んでしまうもの。
購買理由や存在意義が必ず潜んでいます。
あなたは信用して財布を開く。
それを持つものがブランド。持たせていくのがブランディング。
あなたは何で人を惹きつけますか?
ブランドやブランディングを学ぶ事は、あなたの勝ちパターンを作る事と断言出来ます。
是非その勝ちパターンを身に付けて下さい、と言いたい所ですが、
本書は絶版になりました。良書と思ってはいます。
私もブランドを扱う仕事をしている身として。
そんな中、果たして紹介していいものかどうか迷いました。
ですが、良いと感じている事は今も変わらないのでレビューをします。それがこのサイトのポリシーです。
入手方法はあるので、後編でお伝えします。
また、本書のサブタイトルに
「あなたの会社が高粗利に変わる高付加価値ビジネス構築法」
とありますが、金銭に対する言及はほとんど無く、基本的なブランド論の展開ですね。
ブランドとは?と。
やや誤解を招くサブタイトルにも思えます。
ブランド及びブランディングに好奇心はありますか?
粗利はその土台を作ってからでも遅くはありません。
利益を得る方法のみを期待してしまう人には相応しい本ではありません。
Contents
本書の概要と評価。
「利益を生み出す
熱狂ブランドの作り方」
ダイレクト出版
ブランディングという種、
マーケティングという水、 ブランドという綺麗な花の咲かせ方。
総合評価★★★★(4.5)
(理由は概要にて記述)
個人的にはブランドというものを永く学び考えて来ました。
古くを辿れば学生時代から。また、ブランドを作る事が好きみたいです。
一時期、その類の書籍を読み漁る時期がありました。
理由としては、
利益を生む生まない以前に、ブランドに携わる人間としてキチンと説明出来ないといけないとの戒め。更には、運営にも相談・指導にも支障が出ると思ったからです。
何よりも自身が一番知っておかないといけないと。そんな戒めと好奇心です。
他にも読んでいた本にこのようなものがあります。
「ブランドビジネス―成功と失敗を分けたもの」
「ブランドの条件」
今でもブランドに関する勉強への好奇心は尽きません。
どのビジネス書籍にも「ブランディング」や「ポジショニング」の言葉が出て来ます。
これまでに多くのビジネス書を読んで来たあなたなら気付くかもしれません。
コンテンツマーケティング関連にも、人脈構築関連にも、起業関連にも。
ごく一例として、一見関係無さそうなこちらの書籍にも出て来ます。
挙げたらキリがなさそうです。
キチンと知って学んでおくと、先程言ったような全ての事において効力を発揮します。
ブランドとは?ブランディングとは?
微妙な言葉。
あなたにとってもわかりそうでわからない、わからなさそうでわかるイメージかもしれません。
ブランドとは何だと思いますか?
世間も何となく都合の良い表現として使っている節も否定出来ません。
本書は、ブランドとブランディングの現実に関する物語だが、学説を唱えるつもりはないし、専門用語だらけの概念の話でもない。ブランドを構築する(または崩壊させる)のに必要なのは何かという現代の実例を元に、トップブランドが、トップの位置で優位性を保っていられる理由を指摘しようと思っている。(p9)
本文中に太字で書かれている箇所が沢山出てくるのがわかるかと思います。
読んでいくと、その部分が核心を突く事実の連続です。
極端な話をすれば、それらを辿っていくだけでも「ブランドとは何ぞや」の疑問が、霧が晴れるように見えていく感覚にさせます。
特にブランド運営している私にとっては、今も染み付いている言葉が多々あります。結果として粗利を生んでいく科学の解明という言葉がピッタリです。
利益を生み出す熱狂ブランドの作り方?
注意して下さい。
本書の真意は少し違います。
原題は
“THE EDGE: 50 Tips from Brands that lead”
日本語ではさしづめ、
「強み(競争力・優位性):導くブランド達から生まれた50の頂点」
といった所でしょうか。
つまり、著者のアレン・P・アダムソン氏が冒頭でも触れているように、成功している50のブランドを取り上げ、各々の成功理由(強み)を解析している内容です。
あなたはそれらの中から、自分にとって相応しいものを学んでいくという距離感が良いのではと思っています。
「ブランドの成功理由の分析書」というと難しく聞こえてしまうかもしれませんが、書かれている理由は至ってシンプルです。
特別、上級編という訳でもありません。
この考えを個人・組織問わず最終的に活かせるかどうかにかかっています。
インタビュー形式が特徴。
実際に生き残ってきたブランドの行い。
その裏側にあるリアルな考え。
ブランドの主催者達の言葉から、彼/彼女らがどのようなストーリーを持ち、何に差別化する志や価値というメッセージを込めたのかが読み取れます。
そういった生の声はあなたに取って使える部分があるかもしれません。
ブランドというと特定のものや業界をイメージしてしまう懸念もありますが、幅広い業界及び大小問わず取り上げているので問題はありません。
読み進めるうちに、こういう事がブランドなのだなと輪郭も見えて来るでしょう。
そして最終評価は。
何でもブランドという言葉で片付けてしまう世相。
だからこそ、ブランドの基本概念をじっくり学んでいくにはマニアックながらも良書だと思っています。
ブランド論を展開しているので、粗利を得るための具体的な手法が載ってはいません。
一部レビューでは悪く書かれているものもありますが、自らを売り込んで確立し、ブランドを行う身としては有益でした。
どうする事が、成功に近付くブランドなのか、ブランディングなのか、と。
あやふやなまま使われている言葉がブランドなので、キチンと噛み砕いて知っておく事は、それこそが優位に立つブランドの理念にも通ずるのではないでしょうか。
加えて、世間でブランドと騒がれている割りにはブランディングに関する専門の本は少ないと感じています。
この手の本が軒並み絶版になるという事は、もしかしたら日本ではブランディングの重要性があまり理解されていないという事なのかもしれません。非常に強力な概念なのですが。
そのような訳で、ブランド及びブランディングが基本からじっくり学べる一方、このマニアックさがウケるかどうかの虚しさという事で、総合★★★★(4.5)の評価をしました。個人的には好きな本です。
ここで「利益を生み出す熱狂ブランドの作り方」を見たい
ブランディングは全ての基本概念。
改めて言いますが、注意して下さい。
本書はブランドの成功分析書。
具体的にどうすれば良いかという事を、手取り足取り教えてくれるようなマニュアル本ではありません。
その代わり、事例と考察の厚みが存在します。
実在のブランドの成功パターンと考えると、その構成はこちらの書籍にも近いですね。
「ビリオン・カンパニー」
この本は10億ドル企業へとなっていった成功パターンを分析して活かそうという内容です。
また、人の役に立つイノベーションを起こすという視点では、両書に共通するものがあります。
本書はブランドの成功分析書。
ブランディングは全ての始まり。
収益やコンテンツの重要性の前に考えるべき事。
その証拠に、どのビジネス書でも必ずと言っていいほど、序盤でブランディングに関する内容が出て来ます。
他との差別化をし、
自己を確立し、
収益(粗利)を生み出す基本。
自己を確立し、
収益(粗利)を生み出す基本。
人々は、方向性のあるブランドを求めているのである。(p16)
その考えはブランドのみならず、商品・広告・コピー・価格戦略・SNSと、多岐に渡って使える武器。その為か、伝説の広告関連書の著者デイビッド・オグルビィ氏の仕事にも言及していたのが印象に残りました。
「「売る」広告」
1つのキャッチコピーを決める時にも、その製品・ブランドを調べ知り尽くした上で、セールスポイントを1つ抽出する方法。
それもまさにブランディングの視点。
特に、彼が手掛けたロールスロイス社の仕事には、ブランドやブランディングに対する考え方が凝縮されているような心境にさせられるでしょう。
本書では成功分析を通して、ブランド・ブランディングの中には、そんな横の繋がりの重要性がある事を気付かせてくれます。
更には、ブランドの考え方・在り方、そして存続方法をあなたは読み取っていくかもしれません。
ただ、その内容に関して、新鮮さや斬新さは無いです。
しかし、ブランドの基本概念と粗利を生んでいくであろうメカニズムを吸収していく事は、あなた個人やその事業等の強固な基盤になると約束させて下さい。
ブランドは人格と同じ。
序盤での導入が熱いです。
ここでみっちりとブランドの考え方を確立されていく感覚に。ここだけでも読み応えを感じさせます。
ブランドを考えてきた私としては、核心を突く言葉の数々にも取れました。
概して、名前が「ブランド」なのではない、と思い知らされていくかもしれません。
その中でも一番印象に残っている核心。それは、
そのうえ現代の消費者は、ブランドの人格に強い関心を抱くようになっているのだ。つまり、そのブランドが何者か、どのような動機で、そのビジネスをやっているのかということだ。(p16)
本書の中で、多くのブランドの必要条件が出て来ます。そのいずれに対しても土台として横たわっているのが、
「ブランドは人格である」。
人間という生き物と同じと考えてみて下さい
どういう意志を持ち、言葉を発し、どんな行いをしていくのか。
この時代に成功するためには、信憑性のあるブランドの接点を築かねばなりません。なぜなら上辺をいくら取り繕っても、人々はすぐに嘘を見抜いてしまうからです。(p75)
嘘も無理も存在しない等身大のキャラクターが、消費者に対する誠実さ。
所々に「本物である事」への言及に身が引き締まります。
だから、人間と同じで、名前だけがその人ではないという論理に。
中身もその人を形成する。
もしあなたが消費者の側である場合を考えてみて下さい。
偽物だと感じたり、不誠実な企業やブランドには金銭を払いたくないはずです。私もです。
このようにして、一つ一つの著者からのメッセージに核心を突かされつつ、成功パターンを読み進めます。
様々な業種の、様々な視点には好奇心を満たされます。必ずと言っていいほどに、沢山の素朴な疑問や着眼点がブランドのキッカケや理念を生んでいますね。
そんな成功物語はややドキュメンタリーの趣も。
ブランドを作り、育てていくには、
常に何故の繰り返しからの発見。
その何故を繰り返しながら後編へ。
もうちょっとガチで知っておきたいから後編を見たい
ブランディングという種、
マーケティングという水、 ブランドという綺麗な花の咲かせ方。
「利益を生み出す熱狂ブランドの作り方」を見たい
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