ライティングを鍛えて、人を惹きつけましょう!
そこには才能は要らないので、心配しないで下さい。
才能が全てだと誤解もしないで下さい。
そんな著者アン・ハンドリー氏の励ましから始まります。
コンテンツマーケティングとあるものだから、コンテンツの作り方等を期待してしまうあなたもいるかもしれません。ですが、本書は優れたコンテンツ及び記事を作るためのWEBライティングの書籍です。
ただ場面によっては、WEBと断言して良いものかどうか。
普遍的にWEBライティングの上達を目指せる64の法則は、ライターやジャーナリストに最適。
その内容は本格的な傾向もありながらユーモアもあり、理解しやすく、繰り返し読みたくなると言っても過言ではありません。
本書の導入編では、やはりWEBライティングの本であることへの注意から触れました。
セールスライティングではなくWEBライティング。
ここも誤解を招きそうです。
サブタイトルでは、
「売りにつながるオンライン記事の書き方」
とありますが、セールスの匂いは全くしません。
万一、あなたがセールスライティングを期待してしまうようでしたら、後ほど他の書籍をオススメします。
一人ひとりが自分自身のオンライン出版プラットフォーム ー ウェブサイト、ブログ、メールマガジン、Facebookページ、Twitterなど ー を持てる最高の機会を与えられている。(p13)
1人のライターやジャーナリストとして、ライティング全般の能力を上げつつ、そういったものに使っていくことを目指したと考えて良いでしょう。
もしあなたが現時点でライティングに自信があろうとなかろうと、人気があり優れた記事を生み出したいと思いましたら、どうぞ読み進めてみて下さい。
ライティングの技術が今ほど重要な時代はない(p7)
Contents
本書の概要と評価。
「コンテンツ・マーケティング64の法則」
ダイレクト出版
書いてみなけりゃ、誰のココロもつかめないさ。
総合評価★★★★(4.0)
(理由は概要にて記述)
購入のキッカケは、先にこの本を持っていたことでした。
「お客が集まるオンライン・コンテンツの作り方」
(ダイレクト出版へはこのリンクから)
著者も同じアン・ハンドリー氏。
彼女はこのようにコンテンツマーケティングにまつわる骨太の書籍を出しており、これが気に入ったのもあり購入に至りました。
職業柄、コンテンツに関する書籍は常に必要として飢えてもいます。
お客が集まるオンライン・コンテンツの作り方―御社のサイトがキャッシュマシンに変わる ニッチ市場
さて、その内容はコンテンツマーケティングには何が必要なのかから始まり、行うにあたっての各メディアの使用法を解説。
この中でもライティングの重要性を部分的に語っていますが、今回の本書はそこに特化して詳しく書かれたものです。
個人的にライティングにもコンテンツにも興味が尽きないので、ワクワクしながらページを進めていきます。
「コンテンツ・マーケティング64の法則」
の原題はシンプル。
の原題はシンプル。
“Everybody Writes”
導入編でも触れましたが、ズバリ、
「皆、書く」。
直訳ですが、まさにストレートに書くための本ですね。
そしてまたおわかりのように、コンテンツマーケティングという言葉は一言も出て来ません。サブタイトルもありません。
それでも、このコンテンツ主導の環境にありながら、企業はしばしば言葉を軽視したり、見落としたりしている。それでどれだけ損をしているかにも気づかずに。(p10)
より良いコンテンツ作りに欠かせないのはライティング。
だから、書くということが如何に必要で、高めるべきスキルか。
このようにして序盤では、WEBに断定せず、書くことを強調しているように思わせていきます。
そうは言っても、
「私は優れた書き手ではない」
とあなたは思うかもしれません。
大抵の人は平凡な文章から脱却して、もっとすばらしい、読者のことを第一に考えた文章を書く能力を持っている。ただ必要な筋肉を鍛えていないだけのことなのだ。(p7)
トレーニングさえすれば身に付けられるもの。
本書では、あなたにも必ずや備わっている能力だと覚醒させていきます。
こんな導入部はかなり重要。
他にも引用したい所が沢山あるほど価値を感じさせます。
誰もが出版社で、
あなたも優れたライターになるための本。
あなたも優れたライターになるための本。
そのコツを手取り足取り教えられる印象。
テクニックも心構えも。
本書は実用的で頼りになるガイドとして、より優れたライティングへの道のりを歩む読者のための道標を提供することを目指している。(p18)
書いてきた人だからこそわかる視点や経験には説得力も。
さらには、今までわかっていそうでわかっていなかったことを気付かせてくれるような戒めもあると付け加えさせて下さい。
優れた文章は数学に似ている。論理的で構成がしっかりし、読者が信頼できるものになっている。すべてのコントロールを握る書き手は、一遍の文章を明快で読みやすいものにする重い責任を負う。(p59)
そんなコツがドドっと64個連続で登場。
ページ数の多い部類の本ですが、細かく区切られているので読みやすさは感じられます。
ただ難点としては、やや表現にまどろっこしさを感じさせる所でしょうか。
洋書ならではのオーバーな表現や例えがそうさせるのだと思われます。
あなたにとって好みが分かれるところかもしれませんが、これは著者の想いの裏返しでしょう。
それは、ライティングには退屈させないエンターテイメント性も必要だと。
表向きとは裏腹に、ひそむ本質にはブレがありません。
私としては、語り尽くせない名言の数々に感動すら覚えています。
そして、読み返すたびに本質がよりわかり、本書をだんだん好きになっていく私がいます。
アン・ハンドリー氏の定義するコンテンツとは。
コミュニケーション手段の一つ。
基本的には、顧客や見込み客が触れたり接したりするものすべてがコンテンツになる。
(中略)
そして、多くの場合にコンテンツ、つまりユーザー経験の中心にあるのが、書かれたものを読むことである。(p9)
相手あってのライティング及び文章だと強調されていくのに気付きます。
私たちの世界では、”高品質”のコンテンツとは、明らかに”有益な”内容が詰め込まれ、”インスピレーション”にあふれ、オーディエンスへのたっぷりの”共感”を持って語られたものを意味する。(p15)
噛み砕いていくと、文章を使ったコミュニケーション術と捉えられる書籍です。
良い文章には高いコミュニケーション能力が宿っていることを切に伝えていきます。
だからライターの仕事全般・・・商売であれ、記者であれ、あなたが文章を人目にさらす限りは活かせる内容。
書くことが好きならば、一度の読破ではもったいないという気持ちにもさせますね。
気になる全体の構成は。
PART1からPART5まで。
その内訳はライターの基礎から応用と、流れを持って作り込まれています。
度々触れていますが、基本に関してはWEBに限りません。PART3以降の応用になってから、WEBに関する要素が濃くなっていきますね。
そこで、ここのレビューでは前・後編を通して、各PARTの詳細を取り上げていきます。
この概要ではざっと。
- PART1はライティングの法則。
ライティング一般を扱う基礎編。 - PART2はストーリーの法則。
とても短い章で、ストーリーで伝えることにどんな意味があるかを追求。 - PART3は出版の法則。
ジャーナリズムを考えさせる内容。これまでのライティングの基礎を活かしながら。 - PART4はコンテンツの法則。
一気にWEB色が強く。ここで実際のコンテンツマーケティングのやり方へ。 - PART5はコンテンツ・ツール。
これはほんのオマケ程度です。
こうして全体を通してみると、ライターとして書くには、抜かりなく万遍無く。
個人的には、出版や編集のテクニックが印象に残ります。ライターを相手にする逆の立場から書かれているのがとても興味深いです。
そして最終評価は。
需要は分かれるかもしれません。
何故ならば、超を付けても良いほどの本格的な記事作成の雰囲気をまとっているからです。記者もしくはジャーナリストを目指すような。
あなたにとってそういったライティングは如何でしょうか?
もしそれがあなたの求めていることに合致して、良いコンテンツ作りに活かしたいと思えるようでしたら、まさしくオススメの書籍です。
具体的には企業ブログや新聞といったところでしょうか。情報を広く強く発信するには助かります。
私としては、そのニーズがあるので先の本とペアで買って良かったと思っています。
もしそこまで本格的ではない場合は、前半だけが役立つので★★★(3.0)。
生業に近いほどに記事作成をするのならば★★★★★(5.0)。
そのような訳で総合★★★★(4.0)の評価をしました。
各PARTをレビューしていきます。
ここで「コンテンツ・マーケティング64の法則」を見たい
(ダイレクト出版へはこのリンクから)
ライティングは習慣にするのが第一歩。
それを肝に命じて、本書を読んでいかねばなりません。
あなたにとって書くことは習慣になっていますか?
どんなに優れたテクニックよりも習慣にすることが重要。
PART1ではそこがスタートライン。強く強く押し出してきます。
その理由は、書くことへのこんな誤解を無くすために。
まず、書くための筋肉を貧弱なものから隆々とした力強い筋肉に変えるための鍵は、毎日書くことだと言っておきたい。
ライティングは習慣であって、アートではない。(p33)
書けば開かれます!
そこで欠かせない基本事項を、メンタリティとテクニックの両面からアプローチ。
64にも渡る項目が淡々と進み続ける中で、気になった内容を一部ピックアップ。
例えば、
- 正しい書き方は一つではない
- 文章には、明快・簡潔・有益
- 自分の書いたものに疑いの目を持つ
相当な数を書いてきたとしても、読むたびに発見をもたらします。
著者の言葉から、文章の上達は才能ではなくトレーニング次第。そこが先ほどのアートではないという所以。
そうして著者は私たちの味方となり、どんな心配事に対しても共感をしてくれます。
そして次に著者が強調するのは、まさにそこ。
共感が第二歩目。
言い換えれば、顧客への共感が、コンテンツすべての土台でなければならない。なぜなら、書いたものを読んでくれる人たちと同じ気持ちになり、彼らの問題を深く理解することが、あなたのライティングスキルを磨く鍵となるからだ。(p73)
自分の書きたいことだけを書いてしまうことへの戒め。やはりそこもアートではないとわかり始めます。
概して、著者がこのPART1で言わんとしていることは、習慣から共感という一つの大きな流れ。
そしてライティングは活字と文章を介しての読者とのコミュニケーション。
展開されていくどんなテクニックや心構えも、まずはそこから。
また、私たちのレベルに関係なく原点に立ち返らせます。
何を書くにせよ、ライティングをシンプルに保つには、最初から読者への共感と読者中心の視点を持ってライティングにアプローチすることが欠かせない。(p107)
コミュニケーションだから、書く目的はオーディエンスとの関係作り。
様々な誤解が解かれ、相手の視点や共感という概念を教わると、PART2では次の手法が待っています。
ライティングでストーリーを伝える方法を少しだけ勉強。
本当に少しだけのPART2。
その量もたった20ページほど。
しかし、この本でこのトピックをまったく扱わないというのも、どこか間違っているような気がする。そこで、短いセクションながら加えておくことにした。(p136)
この理由からは、そのジレンマが伝わってきます。
誤解してほしくないのが、
ストーリーテリング自体が重要度が低いということではありません。むしろ伝え方を知る上では非常に重要で有効です。
ですが、詳しく書くには別の本になってしまうといったところでしょうか。
「あなたにしか語れないストーリーを語ることから始めよう。なぜなら、あなたより優れたライターは大勢いるし、あなたより賢いライターも大勢いるからだ。何をするにも、あなたよりそれを得意とする人たちが大勢いる。それでも、あなたはひとりしかいない」(p145)
それならば、
ストーリーテリングでオススメの書籍。
ストーリーテリングは超重要ジャンルなので紹介させて下さい。私自身も好きなジャンルです。
「ストーリー・ブランディング」
ブランディングの領域に入っていきますが、ストーリーによるキャッチコピーの作り方や広告の作り方にまで言及している書籍です。
実務的なことを丁寧に解説していますので、今すぐにでも適用可能です。
「ストーリーブランド戦略」
同じくブランディングの書籍ですが、こちらはプレゼンの本と捉えて下さい。
どのようにわかりやすく伝えていくのか。
また、どのように主人公を設定するのかというところに大きな発見をもたらせてくれます。
ここまで来るとテクニックもメンタルもバッチリ。
真っ白なページへの恐怖が、始める以前の段階で人々に書くことを尻込みさせている。(p83)
そんな恐れる気持ちが解けていく感覚に。
そうして本書は半分を超え、応用編へ。
一気に雰囲気が変わり、需要や好みが分かれていきます。そんな後編へ。
もうちょっとガチで知っておきたいから後編を見たい
書いてみなけりゃ、何処にもたどり着けないさ。
「コンテンツ・マーケティング64の法則」を見たい
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