広告に意味のワカラン英語使うな。「現代広告の心理技術101」の後日談。



英語を使う事は別にカッコの良い事ではない。


タイトルでかなり過激な発言しました。

でも、それは何故か?
その理由を展開していきますが、一番の理由は母国語が一番わかりやすいから。
とても単純な理由です。

ここで一つ想像してみて下さい。こんな人がいたらどう思いますか?
例えば、仕事でも政治の演説でも、むやみやたらに横文字を使う人。

コンプライアンスがどうとか、そこのブローシャ―を取ってとか。
今回は表題の事と、横文字を使う事の怖さのお話です。

こちらの後日談!




私は海外生活の経験があります。
英語圏でしたし、言語というものが元々好きな事もあり、外国語というものには一応免疫はあります。
もっと出来るようになりたいとも思っていますし、能力はまだまだです。

その勉強する時も、ネイティブにしかわからないニュアンスやスラングにも着目したりする事があります。
よりその言語に近付けるような気がするからです。

あるいは、逆に知っておかないと怖い事もあるとも思っています。
私達が使う日本語もそうですね。沢山の婉曲した意味もあったりするのも事実です。
日本語を学ぶ外国人の気持ちもよくわかります。


そこで、「現代広告の心理技術101」を読んでいる時に思った事。

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越えられない言葉の壁。


その虚しさを感じた事は確かです。
出来る事ならば、文学作品であれ何であれ、原文で読めるのが一番ですね。

個人的に日本の古典が好きで、とある理由から英語訳されたものも所持しています。その時にも雰囲気がまるで違う事に虚しさを少し覚えた記憶が。
それでも、ドナルド・キーン氏という大家が訳されたものは、こう訳すのかと勉強にもなります。


同じように、あなたも知っているであろう日本の文学作品。

例えば、川端康成の「雪国」。ノーベル文学賞も受賞しましたね。
英語のタイトルでは、
“Snow Village”

違うだろー!
と言いたくなりましたが、趣を完全に表現するのには限界があります。
バックグラウンドの違うものを一つにまとめるのにはそもそも無理がある事実。
そのように、デザインの仕事柄も手伝い、言語にまつわるエトセトラに触れる事も考える事もあります。


そこで、「現代広告の心理技術101」を読んで、一つ思い出して面白いなと思ったのが、


広告を作る上での、
活字に対する考察の章。


先のレビューでも触れたように、これは元々が洋書なので、翻訳されていたとしても英語の事について述べています。
英語の文節やリズム。
その意味ではちょっとわかり辛い。

※一応この本の中で注釈として書いてあります。「英語の場合だよ」と。


先程の事実がある中でも、訳し上げた翻訳者に敬意を持とうと思います。

この場合、英語が元でも著者が言いたい原理さえ理解すれば、日本語で照らし合わせて考える事も可能といえば可能です。
要するに、日本語にも独特の韻の踏み方とかありますね。

また、一目で見る事の出来る字数もさほど個人差は無いでしょう。
そんなような事に本書は触れているのですが、日英とも同じような事だと思います。

知るべくは人間の五感。


レビューではこの訳されたという部分に様々な声が見られます。
ですがいろいろあっても、広告では、
要は如何にして心地よい部分を拾っていくのかという事を言っているのだとフォローさせて下さい。

何語であっても。
その部分を読んで思いました。そして言葉の面白さでもあるのです。


言葉の感性を侮ると危険。


やや広告・コピーの話とは逸れます。言語のアプローチです。


私は先のように外国人・外国語に触れる事も頻繁にあります。
その中で痛切に感じる事があるのです。

それは、その人の持つ言語感覚というものは、何語であっても同じだという事です。

どういう事かと言いますと、
日本語の上手い人は英語も上手い。その逆も然り。
つまり、言語の捉え方が上手い人は、その感覚をどの言語にも応用出来ると思っています。

それが言葉の感性。

具体的には、美しい日本語を知っている人は、同じように美しい外国語に目が向く。そんな感じですね。

その感覚は不変で普遍。


帰国子女が敬語を使えないというのは、間違っていると思います。偏見というか先入観。
確かにそういう方もいるかもしれません。

ただ、私も海外生活というのはしていましたが、マナーという概念があれば何人であっても丁寧に考えます。人として。

日本語を勉強している上級レベルの英語圏の人と接していて痛感しました。
「相手に迷惑掛けたくないから、敬語が間違っていたら教えて下さい」と流暢な日本語で。
私の方も「良い英語を教えて下さい。」と。

月並みですが、気持ちや感性という概念の問題。

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広告やコピーは心地良さを捕らえる作業。


言葉の感性を鍛えて、育んで、心地良いものを知る。

以上の事から、言葉に対してそう思います。
絶対的な量と感覚が無いと扱えないと自らに警告も。

広告の土台は言葉の感性も無視出来ない。
そして、勿論一番は心理。

そんな事を思いました。
更に読むのではなく、感じる。

※参考画像の書籍: 「文字のデザインを読む」/プロのデザインルール CI&ロゴマーク編」
両方とも古い本ですので、評価も良く良書ですが激安で売られています。


また、我々は日本人なので、いわゆる「横文字」文化の中で生きていません。

そこで、あなたはこんなふうに感じた事はありませんか?

外国語は記号。


勿論、言語というのは元を辿れば記号から始まったのは間違いではありません。
象形文字というものに代表されますね。

ただ、英語というものは(外国語全般にも言える事ですが)活字というよりも記号や絵として見ている部分が否めない事もありそうです。
ハングル語やアラビア語やヒンドゥー語なんてその典型です。



「現代広告の心理技術101」の著者ドルー・エリック・ホイットマン氏はアメリカ人として、英語を母国語として使っているからこそ、言葉に対しての本能的な考えがあるのだなと改めて知るに至りました。

その言葉の本能というのは?


フォント一つとっても、実は格好の良さではない歴史背景と意味がある。

それはネイティブでないとわからないフィールド。これは結構あります。
広告関係の人に聞いた事がありますね。

私自身もロゴやフォントのデザインをする時にその壁を考える事もあります。

ネイティブが無意識のうちにわかっているそのフィールドは、日本人自身が「書道」を捉える考えに似ています。
私達にも、時と場合によって草書・楷書云々とありますよね。

だから逆に考えると、それは日本人である私達のDNAでしかわからない事もあるという事。
書道を知らない国の人にしてみれば、止めやハネに何でそんなにこだわるのかい?と。


その国の人でしかわからない、やむを得ない聖域を知る事も、それもグローバリゼーションで言葉の勉強ではないでしょうか?
広告に対する考えもも深くなると願います。


だから、言語の怖さ。


広告に話を戻します。
私は割りとイメージ戦略として、頑強なタイプのフォントを好みます。どの言語を使う時でもです。


誤解してはいけないと思っているのが、広告で英語を使うものがよく見受けられます。
否定はしません。私も使う事だってあります。

ただそこは今回のテーマ、
英語を使う事は別にカッコのいい事ではない。


昔見た新聞記事にもありました。
日本では、どこか曖昧にする為に使ってしまっている事も否めないと。
それを見る人がネイティブでない限り訴求力が無いです。イメージも出来ません。

例えば、
“White Love”というタイトルの歌がありました。
クリスマスの時期に発表された事もあり、大抵の方は白い雪の中の愛を想像すると思います。

しかしながら、これはネイティブはそうイメージしません(全員が全員ではないとも思いますが)。
これは「白人の愛」と考えます。アメリカ英語ではそのようです。
日本では肌の色に関してまだ鈍感な所もあるでしょう。


意味もバックグラウンドも知らずに使う事は恥をかく事にもなり兼ねません。




先の本で学んだ広告の真髄を思えば、曖昧な言葉を使って人に行動を喚起させられないものは意味が無い。
私にとっては、
英語を使うのは単純に外国人にも伝える為。それだけです。


母国語でない人間がむやみに使っても、うわべのカッコ良さという浅はかさしか残らない
のかなと考えます。
同時に、辿り着くにはホンマモンに意見を聞いてみたり、勉強する事が常に必要だなと改めて感じます。


実際、自分が英語を使う時は、周囲にいるネイティブスピーカーによく意見を聞きます。

母国語としている人が一番のプロですからね。もしくはプロを超えている。

言葉は伝えるためのツールで、広告はそのツールを使う。

だから伝わらなければ意味が無い。

戒めています。

「現代広告の心理技術101」を読んで、著者ドルー・エリック・ホイットマン氏の言葉もつくづくわかりますし、更に深い所で言葉に対してそんな事を考えさせてくれた事には感謝しています。なかなか骨太の書です。

私の仕事柄の考えもあって、そんな側面もあるとご参考になれば幸いです。

※今回紹介した書籍
「現代広告の心理技術101」を見たい

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ガチで独創的に読んでくれたあなたに謝謝。

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