ガチで独創的なレビュー:「人を動かす  D・カーネギー」(前編)



ビジネス書界の古典。

人心掌握に悩む人への総決算。


1936年の発刊以来、全世界で読まれている名著です。
変わらず、廃れずに永い年月受け継がれてきた事には畏敬の念を抱かずにはいられません。

あなたの手元に置いておくのにふさわしい一冊となるようにレビューをしていきます。

人情の機敏をうがった本書は、読む人の心を揺さぶって波紋を広げ、半世紀を超えた今も、全世界にわたって、読書の数が増え続けています。(p7)




最初に余談をさせて下さい。

本書はアメリカの古典になるのでしょうか。
一方、日本を始め東洋の古典にも良書揃いです。
私は、ビジネスの枠の中だけではなく、人生論としても古典をこよなく好んでいまして、その話もお伝えしていこうと思いますね。

また本書はロングセラーやベストセラーと言われています。
そんな事もあり、これまでにも多くのビジネス書(特に洋書)の著者達がこぞって取り上げていました。

国境を越えて、自身がそんな方達と同じ書籍を読んでいるという共通点は感慨深いです。


私が言うまでも無く、
そもそも受け継がれる事には相応の意味があると言って良いのではないでしょうか。

決して名前だけではなく、本質を知った時に。


ちなみに古典に関してはこのような記事がありますので、ご参考に。


古典は素晴らしいです!
 

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本書の概要と評価。

本書の原則は、それが心の底から出る場合に限って効果を上げる。小手先の社交術を説いているのではない。新しい人生のあり方を述べているのである。(p300)


本書はこの一言に集約されます。
最初に出てきそうな一説だと思いませんか?
ですが、実は最後の方に出てくる一説です。

思わず名著に向かって、
「これを一番最初に持ってきてくれよ!」

と、ツッコミを入れてしまいましたが、彼の用いる「心の底」という表現を改めて重く受け止める事になるでしょう。



本書のどの項目も、まず自らの心を豊かにする事に努めなければ、心の底からの立ち居振る舞いはなかなか出来ないのではないでしょうか?

そう思うと、高度な技術を教え、高めてくれると捉える事も出来ます。
簡単にも、一朝一夕にもいきません。

シンプルな人の心。


私だけではないと思います。
私は本書に辿り着くまでに、この手のものは洋の東西を問わずいろいろなものを読んできました。
例えば、

「話し方」「聞き方」「説得の仕方」「説明の仕方」「人心掌握」・・・・・・

あなたもそうですか?

先程のように多くの著者が本書の事を上げている事も踏まえると、この本一冊で全て語られるよなと皮肉にも感じてしまいました。
ただ、これまでの本が悪いという訳ではありません。

例えるのならば、
家系図の一番上にあるのが本書だという事です。そこから派生して多くの本が育っている。
シンプルなまでの人間心理の基本。心理の始まりでしょうか。


それぞれの項目を深めたい方には、洋書・和書問わず他のものを読んでみるのもいいかもしれません。
その中で、同じ金銭を投資するならば、先のボブ・バーグ氏をオススメします。

その理由は、やはり内容に無駄が無い事が挙げられます。
誰も悲しまない内容で、誰もが得をするというコンセプト。


加えて、マニュアル的ではなく、本書同様人間の原理に則っています。
原理を知った方が何事にも応用が利きます。そして考える力も育む。



ただ、一言言うならば、本書の内容には何の驚きもありません。
非常に当たり前の事を当たり前に書いてあるからです。
結果として、心理学を知る事になっても、学術的で難しい事は一切無いのが良いですね。

そのようにわかりやすい分、中には「わかってはいるけど・・・」と感じるものもあるでしょう。
そうは言うものの、不変の真理や原則というものは、時代も国境も越えてそういうものではありませんか?


そういった論理も遠回しに教えてくれているような気にもさせます。
私の経験上では、逆に他の書籍を多く読んだ上で、本書に辿り着いたのは幸運だったと感じています。

そして最終評価は。


人間の心理や摂理はいつの時代も変わらないもの。どんなに文明が進んでも。
そしてまた、それは歴史が証明してくれています。

これからも事ある度に本書を読み起こす事があると言い切れます。人間の真理はとてつもなく深いからです。
決して先入観を持つわけではないですが、受け継がれる理由が分かる気がします。

時に硬軟交えた内容の強固さと、あなたの中の歴史としても受け継ぐ事が出来る。
そのような訳で★★★★★(5.0)の評価をしました。

ここで「人を動かす  D・カーネギー」を見たい


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人を動かす三原則から展開。


沢山の項目と章で成り立っています。
その他にも「人に好かれる六原則」等々。

ただ大事な事だけを並べ立てるのではなく、様々な事件や出来事をモチーフにしながら話を展開。
小さな物語とも言えるその中から人間の心理描写を読み取っていく事も可能で、カーネギー氏の解説と共に、心の中で定着が良くなっていく感覚に。



ほんの少しジャーナリズムの要素も感じさせます。
その為、あなたもイメージしやすく心にスッと。

日本語に訳されているものではありますが、落ち着きのある語り口。そこに品格と重厚さが不思議と伝わってきます。

また、それら史実の多さにカーネギー氏の見聞の広さも同時に伝授されていく気持ちにもなるでしょう。
史実は歴代の大統領の逸話や偉人の話がメイン。


当然と言えば当然なのですが、アメリカや西欧諸国の話で、一部東洋の話。
我々日本人が使うことわざ等にも造詣が深く、流石に勉強なさっていたのだなと気付かされるかもしれません。

心に刻みながら、また、感じながら読み進めていきます。


現実主義者でもあるとの感想を抱いた。


性善説に対しての抵抗はありますか?

自分の長所、欲求を忘れて、他人の長所を考えようではないか。そうすれば、お世辞などはまったく無用になる。嘘でない心からの称賛を与えよう。(p49)


これは人間としての宿命なのでしょうか。
読み進めるうちに、イヤというほど性善説を唱える事に抵抗を覚えた所はありました。それは正直にお伝えしようと思います。

ただ見方を変えると、人を知り、本書のように振る舞える事は心の余裕に繋がるのではないでしょうか。
加えて、知る事で達観する心の強さ・不動心、並び平穏を生むと言っても良いのかもしれません。

それは人として、信頼と尊敬(時に畏怖)を勝ち取る術。
だからこそ、人が動いていく。

一方で、



たまにエゲツなく切り込む現実主義。


人としてのバランスを取ろうとする所に好感を持ち始めます。

広告業を本職とし、人に物を買う気を起させる専門家であるはずの人間でさえも、こんな手紙を書くのだから、他の職業の人々の書く手紙は、推して知るべしである。(p60)


基本的には先程お伝えしたように、善行を推奨。
その一方で、現実的な見方や悪い考えにも言及。
それも踏まえた上での善行の追及ですね。


「清濁併せ呑む」という言葉にもありますように、両方を知って両側から見てみる事。
そうして身に付く、器や視野の広さを感じ取る事が出来るのも本書の魅力です。

またそういった部分は、孔子「論語」にも通ずる、血の通った温度を感じさせます。



良い事も悪い事も、わかって受け容れる。
ただの善人になる事よりも、もっともっとそうなりたいものです。

本書は人心掌握の総決算であり最後の砦。
そして、倫理的に見ると内容はかなり高度。この内容が実践出来るという事は、相当人間が出来ていると思わされます。

主観ですが、うわべの事ではなくて深い本にお金を掛けたいと思う私もいます。
あなたは如何ですか?

後編で、より総決算に。

もうちょっとガチで知っておきたいから後編を見たい

ビジネス書界の古典。時代を越えて、ヒトとは。
「人を動かす  D・カーネギー」を見たい
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ガチで独創的に読んでくれたあなたに謝謝。

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