ここまでお読み下さり有難うございます。
前編からの続きです。
2分でわかるガチな概要は前編で。
総合評価★★★★★(5.0)
(理由は前編の概要にて記述)
人心掌握本の最後の砦。
ん? 砦とは?
その類の世の多くの書籍も、本書を筆頭に派生していったと言っても過言ではありません。
事実、このサイトでも紹介している書籍の著者達も決まって名前を挙げている事が多いです。
人間心理を史実から解説していくその内容は、同時にあなたの見聞も広げてくれる事になるでしょう。
どうすれば、人に影響を与える事が出来るのか?
その悩みさえあれば、読む人を選びません。
また、人間の良い面・悪い面の両方の視点で触れられている所に、本書の魅力と器を感じさせます。それすらも伝授されるようです。
ただ単に良い事ばかりを書き連ねていない現実主義な所に、誰もがカーネギー氏の人間味を感じるのではないでしょうか。
前編ではそんな最後の砦である事と、現実主義の魅力に焦点を当ててレビューしました。
もしあなたが本気で知りたいという場合、ここからお読みでしたら、
まずはより良い伝達の為に前編の概要を読む事をオススメします。
というか、いきなり後編を読んでもあなたのお役に立てないのです。
一度の読破だけでは勿体無いので、私は永く手元に置き、複数回読んでいます。
その度ごとに新たな発見を授かります。
人を知る事は一朝一夕にはいかず、読みながら想いを巡らすのがベストではないでしょうか。
必ずといって良いほど、自身のこれまでの経験と照らし合わせる箇所が出て来ます。
そうなると、今後似た事が起きる度に、どう考えて振る舞うのかの解決法が一つの成長として身に付いていくようです。
さて、前半は人とのコミュニケーション術の色合いが濃かった内容も、交渉術の様相を呈していきます。
その交渉術で感じた一大テーマは、
Contents
敵を味方に変える技術。
基本概念として横たわっていきます。
私は馬鹿者にはなりたくなかった。そこで彼女の敵意を好意に変えてみようと決心した。いわば、一種の遊戯だ。(p238)
あなたの身の周りには、あなたの敵はいますか?
もしいたら思い浮かべてみて下さい。
その人とコミュニケーションをして、一気にあなたの味方へと変えてしまう術が、主に戦の実話を交えて展開されていきます。
そこには一貫してカーネギー氏の体験や洞察が繰り広げられ、人間心理の知恵を授かっていくようです。
そんな中、
この概念の特化した書籍を思い出す。
「敵を味方に変える技術」
前編で紹介した21世紀のカーネギー・ボブ・バーグ氏の著作です。
カーネギー氏の本書では、様々な史実や描写の中で、ドラマのワンシーンを見るように人心掌握が解説されていく比率が多いです。
一方でボブ・バーグ氏のこの書籍では、特化した上で抽出し、簡潔にまとめられた内容のような気にさせます。
加えて、人間心理は原始の時代から不変であるものの、文章そのものは現代にマッチしているなと心なしか感じさせます。
肉付けしたり強化するにはかなりオススメの書籍です。重宝します。
脳が成長して賢くなっていく感覚。
強さとしなやかさ。
柔よく剛を制す。
そのように形容出来る社会的知性が身に付いていくと言っても過言ではありません。そういう人物に憧れませんか?
人を深く知り先を行くことで生まれる勇気と余裕。
またそれが出来る人への手強さと畏れも感じさせます。
人にとって何が大切で優れたものであると意味するのか。一つ一つ真実を悟っていく度に、心も脳も成熟していく自分に出会える気にさせてくれますね。
人を変える必要が生じた場合、次の事項を考えてみるべきだ。
(中略)
これで、必ず相手から良い反応が期待できると考えるのは、やや単純すぎる。だが少なくともこの原則を応用しなかった場合にくらべると、相手を変える可能性は高くなる。(p319)
勿論、本書の内容を全部マスターすることは難しいですし、人生経験の有無によっては割り切れない箇所も出てくるでしょう。
対立が功を奏したり、憎んでいるままの方が楽な時もあるかと思います。
多くの原則で展開されてきた本書も、一番最後に付録として「幸福な家庭を作る7原則」で締め。
これは男の女の事情のようです。
ちょっとそこに愛嬌を感じさせて本書は終わります。
時代を超えた本たち。
そんな様々な偉人の台詞にも代表されるように、本書は横の繋がりがあるのも特徴で学びがあるところです。
さて、前編で孔子の論語について言及していたのを覚えていますか?
その他にも個人的に感銘を受けた書籍があるので紹介をさせて下さい。本書の中には無いものですがオススメです。
日本の古典文学から。
「風姿花伝」
これは室町時代に、能楽師である世阿弥によって書かれた芸事に関する心構えの本です。
芸事といっても何も特別なことではありません。
人が為すことに変わりはなく、物事の視点を相手ありきから発想する重要さを説いています。その意味では、時代を超えて共通するものが両書にはあるのではないでしょうか。
原文だけでなく、その解説書もあります。私は大好きな書です。
中国の古典文学から。
「世界最高の人生戦略書 孫子」
孫子の兵法とも言われています。
兵法書でありながら、基本概念として「闘わない」ことを推奨する賢明な生き方・考え方は、現代の対人関係やビジネスにも大いに応用出来ます。
聡明さへの道しるべと言っても良いでしょう。
また先の「風姿花伝」と同様、わかりやすい解説書も多く存在します。
「頭に来ても「アホ」とは戦うな!」
著者曰く、「現代の孫子の兵法」。
メンタルケアの本とも捉えることが出来ます。
もしあなたが日常から仕事まで、心がすり減り疲れてしまった時の生き方の味方になる書籍です。
この本は個人的にヒットです。
政治の世界に携わった著者ならではの体験や、達観した思想が面白いし、癒しにもなります。
そんな訳で、ちょっと立ち読み。
字は細かい部類に入りますね。
それぞれの章や項目の最後にまとめとしての格言もありますので、目次だけでも後で見返すのもアリです。
値段比較をしてみた。
基本的にはどこでも入手出来ます。いずれも送料は無料です。
また本書には新装版と文庫版がありますのでお気を付け下さい。
左が新装版。右が文庫版。
新装版の方がおよそ倍ほどの値段になっています。
(私は頑丈な新装版を買いました。長期保存を見越したためです)
- アマゾン(Amazon)新品・中古品共に販売されています。
流石にベストセラーとあって、レビューの数も中古品の数も異様に多いです。
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※情報は変動する事がありますのでご了承下さい。
また、混乱を避けるため、恐れ入りますが具体的な数値は載せないようにしてあります。
まとめ。
ヒトって、深い。
「人を動かす」「道は開ける」等、自己啓発における著作が多いカーネギー氏。
そのどれもがいつまでも受け継がれたベストセラーになっています。
そうは言うものの、私は世論に流されずに冷静に読んでみようと努めたのですが、無駄の無い本でした。
だから、本書は、一朝一夕に頭だけで書かれたものではない。十五年にわたるカーネギーの指導の現場から生まれてきたもので、著者の説は、すべて実験済みのものばかりなのである。(訳者あとがき)(p344)
書いてあること自体は決してテクニカルなことではありません。熟成されたものです。
即効性のあるようなものを対人関係に求めてもいけないでしょう。
そんなものが通用するほど人間は甘くはありません。
そうではありませんか?
そう戒めさせてくれると共に、改めて私達の心に実感させます。
そして言うまでもなく、最終的にモノを言うのは思いやりと誠実さ。
月並みな言葉でムズかゆくなるのも否めませんが、それらも一筋縄ではない現実もありますね。
何が真の誠実さなのか?
そこで必要なのが、相手のことをしっかりと観察すること。彼はそれを説いています。
相手を良く考える・観察するというのは、一貫した彼のテーマです。
言い換えれば、人間に詳しくなること。
人間に長けること。
結局のところ、どんなに優れた言語を扱おうが、そこがないと何をやってもうわべや無意味に終わってしまうことは覚悟する必要がありそうです。
特にビジネスというものには、厳しい倫理が伴います。
人が為して、人が感情で金銭を払うわけですから、どれだけそこに注意を向けられるかが鍵になります。私はそう信じています。
派生していく本もいくつか紹介してきましたが、どの書籍もオススメです。
「人を動かす」
創元社
ビジネス書界の古典。時代を越えて、ヒトとは。
最後に:
忘れかけていそうな当たり前のことを当たり前に。
それで十分なように思わせます。
すごいと思われることよりも、当たり前のことの方が大事な土台。
逆に当たり前こそが、むしろすごかったりする。
それをアッサリ出来る人になろうと、気を引き締めさせられます。
それが結果として人を動かしていく。何の力も必要とせず。
悪戯な操作では決してありません。そこに本書の大きな意味があります。
人を知っている人が、人を制する。
何があってもブレない心の落ち着き。
人の真実の触れることで、この本からそんな確信を学ばせて頂いたことに感謝してレビューを終わろうと思います。
ビジネス書界の古典。時代を越えて、ヒトとは。
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