ガチで独創的なレビュー:「ひとを動かす技術 ボブ・バーグ」(前編)



社会的品格が備わる良書だと思います。

「現代のカーネギー」からの贈り物。


時間的にすぐに読めてしまう人心掌握本ですが、その手っ取り早さの割りには、その言わんとしている事の重要度と密度はとても高い。

そう感じて長く所持しています。
そんな本はいくらあっても良いですね。


また本書の著者
ボブ・バーグ氏。
この方はこちらのベストセラー書籍、 


の著者でもあります。

そんな彼に付いた愛称が、
「現代のカーネギー」。

そう呼ばれて久しい、コミュニケーションスキルについての著作が多いアメリカの経営者。

豆知識として、カーネギー氏の事にも触れていきます。
 

先のレビューでも彼らにまつわるお得情報が沢山ありますのでご参照下さい。
胸を張ってオススメ出来ます。


彼の思想は品格も備え、
誰も悲しまないし、
誰もが幸せになるというスタンスです。

個人的にはこの方のスタンスは好きですね。
これだけを聞くと綺麗事のように思われるかもしれませんが、根底の理念は深く、どの書籍にも共通しています。

人間は誰しもが人の役に立ちたい。
何らかの形で人や社会との繋がりを、信頼と共に持っていたい。
そんな人間の欲求にも目を向け、多くの角度からその究極を彼なりに探求しているような気にさせます。

ビジネスの枠だけに納まらない内容です。


本書の概要と評価。


大和書房

答えをあえて出さない愛のカタチがここに。

総合評価★★★★★(5.0)
(理由は概要にて記述)


こんな悩みを持っていたのは私だけでしょうか。


人心掌握と一言で言っても、具体的に何が掌握の引き金になるのか。
心を掴むというのはどういう事なのか。
どこまで行けば掌握と言う事が出来るのか。

人間の事を深く考えもしないうちから良い顔だけしてても、人は動いてくれない。


一方で、掌握しなくても生きていけるのかもしれない。
でも掌握する事が出来れば、夢も仕事も倍のスピードと半分の時間で進む事実も否定出来ません。


悶々。

そんな日々の中、人間を知ろうと様々な書籍に触れるうちにこの本に出会いました。
ストレートなタイトルが目に。

でも最初は抵抗があったのです。これは正直に伝えます。

ボブ・バーグ氏の言わんとしている事。


何故ならば、タイトルに疑問があったからです。
「動かす」という言葉。

個人的にいつも思いますが、
この使い方は心理操作のように聞こえてしまうのでどうにかならないかと。
お読みのあなたは如何ですか?

本当は「駆り立てる」とか「心を揺さぶる」、「心を動かす」とかの方がいいと思っています。

実際そういう内容です。そして主に説得術と言えますね。

だから、本書は人間の心理と真剣に向き合う事になるでしょう。
最終的にあなたが人の心を揺り動かし、人を駆り立てる、更にはある行動に移させるにはどうするかの事が書いてあります。

その内容に入る前に、こんな大きなテーマが。

「ひとを動かす技術」の原題は。


It’s not about you.

「あなたの話が大事なんじゃない」
日本語でイメージするタイトルと全く違うと思いませんか?

これは英語独特の表現ですが、
真意は「自分本位な考えを捨てろ」という事で、本書の根幹。

言うまでも無い事ですが、自分本位な考えが見え隠れしてしまうと人を動かす事は出来ませんよね?
読み進めていくと、同じ「人を動かす」でも、主にその事実に焦点を当てていく様子に気付かされます。


ここでちょっと余談ですが、冒頭で触れたカーネギー氏の書籍はこちら。

「人を動かす」

似たようなタイトルで、同様にオススメの大ベストセラーです。ビジネス書界の古典。

ただ日本語のタイトルでは名前が似ているものの、原題は全く異なります。
人心掌握と一言で言っても、タイトルの付け方一つでアプローチが異なるのは面白く感じさせますね。

その真意についてレビューで言及していますので、ご興味の有る方は是非ご参照下さい。 


さて本書の話に戻りますが、その自分本位な考えを捨てる根幹がこのように展開されていきます。

内容は一味違っていて物語風。


あなたは映画が好きですか?

本書は映画を見るような感覚に。
主人公の青年ベンが任された、ある難しいプロジェクトの発端から交渉・成功までの軌跡。 


そんなストーリー仕立て。
主人公が苦悩しながらも突き進んでいく様は、NHKの朝ドラのようにも。
その具体例というかシーンを読み進めていく本です。


という事は、直接私達に答えを列挙する訳ではないのですね。
発する言葉や行動から、あなたに考えさせるテクニックと言えるのかもしれません。



主人公の苦悩や、周りの人達の思惑。
彼を取り巻く応援者達、
そしてアドバイスを送り見守る人々・・・。

それぞれの立場やキャラクターがリアルに活かされています。
月並みですが、感情移入させる所も多々あり。


シンプルな物語なので、字数が少なく、誰にでもすぐに読めるメリットを感じさせます。 


ただ逆に、もしあなたがストレートに情報が欲しい場合や、ハウツー本を期待する場合にはまどろっこしく感じる懸念もあります。
やはり時折、会話の中に、難しいというか考えさせるような例え話がチラホラ。

その話は後編で改めて言及しますが、一度の読破では足らないかもしれません。

しかし、


シチュエーションが記憶に染み付くのが最大の威力。


主観ですが、私はまどろっこしくは感じない側でした。
 
いろいろなシーンの情景を思い浮かべる事が出来たので、シチュエーションによってどうすれば良いのかというのが、時間が経った今も染み付いています。

物語の利点ですね。 



今までに無かったタイプの本にも感じさせ、本書には愛着が沸きます。
考えさせる目論見も、それならそれで素晴らしい考えだと思いますね。

かなり前に買った本ですが今も手元に置いているので、相当な愛着がアリ。

そして最終評価は。


多くの格言が盛り込まれていて、それらは至ってシンプル。

もっと情報が欲しい方には物足りなさを感じさせるかもしれませんが、
シンプルにまとめられている物語のクオリティは必読の価値があり、シンプルな考えこそが本質なのだなと実感させてくれます。


入門編としても、人生経験を重ねた人にも普遍的に通用するものだと言って良いかもしれません。

そんな訳で、実践していくにも苦にはならず、啓発本としての価値は高いので★★★★★(5.0)の評価をしました。

もしあなたが仕事もプライベートも、何となくではなく人心掌握をキチンと形成されたい場合にはオススメの本です。

ここで「ひとを動かす技術」を見たい

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ボブ・バーグ氏はハト派。


と言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、
もっと正確に言うと、無意味な争いはしないといった所でしょうか。

特に本書の物語は「交渉」がベースに進んでいく所から、その傾向が顕著です。
主人公がどこに行っても必ず相手がいる内容。



人間にとって、無意味な争いをしない戒めは大切だと個人的には思っています。
たいていは思考停止して争う所を間違えていたり、身勝手でつまらない理由での争いだったり。

何が目的なのかを冷静に考えた場合、本末転倒と言わざるを得ません。


そんな想いを膨らませながら本書の交渉の軌跡を読んでいくと、
大局的な考えが身に付くメリットを感じていきます。

だんだんと培われ、気付かされていく大きなポイントです。


そこでちょっとそんなハト派な彼の著作を検索。

Amazon(アマゾン)で検索すれば沢山出てきますが、どれもきっとお役に立つと思います。
個人的には彼の著作のファンでして、まだまだ読んでみたい書籍が沢山です。


では、本書で感じる大局的な考えとは?

人を動かす為には、まずは自分本位な考えを捨て、無意味な争いをしない事。
そして更には、


目的の為には、敵対は無意味。


それを悟る事を手伝う、深いヒントの数々。
人の心が揺り動かされるヒントでもありますね。


本書の構成としては、章の冒頭やシーンが切り替わる際に格言としてのタイトルが出てきます。
二度目以降の読書では、これを拾って思い出す使い方も出来そうです。

主人公ベンの悩みや感情が、シーンの中でつぶさに展開されていきます。


 
どんな事があっても決して強引な手は使わず、悪戯な事もせず、慌てず、不都合があっても気長に接していき、如何にして納得を得るのか。

彼の活動への奔走を読みながら、思わず
「頑張れっ!」と。

一生懸命な姿には、畏敬と美しさをあなたに感じさせるでしょう。

励まされます。

また、これらの活動や心にはまず「敵対」という概念がありません。
たとえかたくなな相手であっても、です。

 

何が一番大切かを常に考える思考力が大事と教えられる。


必ず目指す所にはWIN-WINの関係。

特に本書は交渉・説得の一部始終の物語なので、「意のままに操る」のではなく「引き寄せられるように自ずと動き出してしまう」心理や方法に焦点が当たっています。


その為に主人公ベンが教わり、取っていく行動は、真に仲間になって信頼に漕ぎ付ける事。

うわべの、見せかけの、優しさでもない。

彼の大きく移り変わっていく感情から、徐々にその想いが強くなっていくのを感じると思います。

同時に、彼の思考に感情移入しながら、目的達成の為には何が一番大切なのか?

無意味な争いに勝つ事か?
相手は何を求めているのか?
自分はどうなる事が嬉しいのか?

互いのより良い答えと結果の為にどうしていくのかを考える力が、人としての器にもなり、最終的に相手にとっての駆り立てる総合力になるのかなと感じさせます。

ひとえにそれは人を導く術。

影響を与えるリーダーシップの様相も呈してきますね。



それらが理想論かどうかを問い詰めるのはやめにして(そんな時間が勿体無い)、この主人公のようにそれを考えられるような人材でいたいと思わされます。

戦うべき所とそうでない所を見極められる知性。
無駄な争いを避ける術に長ける知性。

自分本位な考えを捨て、それらの大きく広い思考がリーダーシップの基本原理として備わると共に、本書が授けてくれる知性はまだまだ続きます。


追伸。ここまで読んで頂いたあなたに。


有難うございます。私は本が好きです。

本書の良さも悪さも、ガチでお伝え。
一生懸命働いて得た金銭をお気に入りのものに投資を。

そんな「あなたの知りたいを叶えるガチレビュー」は続きます。
そして最終的にはあなたにとっての良書に出会ってほしいと思っています。

後編で、物語のキーパーソンやキーフレーズ、そしてラストシーンについて展開。
パラパラ見てみる、ちょっと立ち読みもあります。


答えをあえて出さない愛のカタチがここに。
ひとを動かす技術 ボブ・バーグ」を見たい
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ガチで独創的に読んでくれたあなたに謝謝。

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