ジョブズが愛した「禅マインド ビギナーズ・マインド」のお話を簡単に。



世界的ベストセラーとまで言われる禅の人気書籍です。

世界的云々という表現には、随分と大きく出たなと思いつつ。

あなたもこの本が気になりましたか?
そんなあなたに最初にお伝えすることは、まず禅を学んでいくには欠かせない一冊になりそうな思いを抱かせます。

今回の記事でそこが決してマユツバではないことをお伝え出来たら光栄ですね。

ただ、禅問答という言葉にもありますように、基本でありながらも若干ややこしい思想や表現が続くことは否定しません。
これから先も頭をひねらせながら、自分の手で真の答えを見つけ出していく労力は必要そうです。

そんな考えさせる本だと言わせて下さい。

「禅マインド ビギナーズ・マインド」
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一方、著者の鈴木俊隆氏の優しい語り口は、その答えにゆっくりと導いてくれるような雰囲気を醸し出します。
加えて、私たちが抱きがちな、仏教は難しいという先入観を和らげてくれるのも感謝です。





禅や宗教にまつわる本はビジネスや人間形成にも役立ちます。
私が言うまでもないとわかっています。

そんな中発言を許されるならば、禅の特に良い所は、難しい哲学としてではなく日常の中に平和的に存在するというコンセプトだと伝えたいのです。
だから汎用性が高いとも言えます。

その入門編と言っていい本書を最初に手にするのも悪くはありませんが、正直に言うと、こちらの書籍も入門編としては相応しいかなと思っています。



「禅は無の宗教


さて、今回は導入編として本書の背景についてお話します。
読んでみて気付いたのは、どうやら知っておくべき前提が多そうだと感じたことです。

ガチレビューは後日。別記事にて。


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元々は英語で書かれた本だった。


和訳されて日本に逆輸入となったものです。
その情報はこちら。

Zen Mind, Beginner’s Mind (Wikipedia)

Zen Mind, Beginner's Mind: Informal Talks on Zen Meditation and Practice

Zen Mind, Beginner's Mind: Informal Talks on Zen Meditation and Practice

Suzuki, Shunryu
6,632円(11/21 02:29時点)
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このようにして1970年、最初にアメリカにて出版されたもの。

個人的にはその部分に興味を持ちました。
何故ならば、私たち日本人の視点ではなく、外から見られる客観性がある感じがしたからです。

さらには西洋、あるいは言語の異なる世界で禅はどのように説明されるのだろうと。
またそれが入門編として日本で読まれているのです。不思議な感じがしませんか?




その文章は、鈴木俊隆氏がアメリカにて行った法話を弟子が録音・編集したもの。

弟子というのも、録音がマリアン・ダービィ氏、そして編集がトルーディ・ディクソン氏。共にアメリカ人で、鈴木氏にとって身近な弟子でした。

鈴木氏は苦心して英語で伝えていた模様です。
本書には、実はPART2の「禅マインド ビギナーズ・マインド2 ノット・オールウェイズ・ソー」があるのですが、この冒頭でもその事実が見られます。

これはきわめてありそうなことなのですが、鈴木老師がなんとか英語で語ろうと苦労されていることは、彼の教えをかえって生き生きとしたものにしています。たとえば、老師はほんとうに things as it is (あるがままのもの)と言いたかったのでしょうか? (PART2のp16)

これだけの難解とも思える宗教的な内容を英語で伝えようとしていたのは驚きです。

後に登場しますが、最初に禅を伝えたとされる鈴木大拙氏という方も含め、禅師は軒並み英語が堪能であると気付かされます。



先人のそのような努力があって、世界でも禅がメジャーになっていったと思うと尊敬の念も芽生えますね。

英語は、もともと深いところまで、その基本的な前提として「二元的」です。また、何世紀にもわたって、非ー二元論的な仏教の考え方を日本語のように表す、という機会もありませんでした。そのためもあって、編集はさらに難しいものになりました。鈴木老師は、このように異なった文化的背景を持つ言葉を、自由に使われました。(p21)

私自身は英語も好きなので、どのように表現されたのか原文も気になりますし、その洋書も欲しくなりそうです。


英語の表現はとてもシンプル


言語の逆輸入とも言えそうです。

どういうことかと言いますと、とかく感覚的で、時に難解な日本語の表現も、逆に外国語(この場合は英語)からその意味や概念を知ることもあるということです。

本書にはタイトルを始め、部分的に英語での説明が見られますが、シンプルだからわかりやすい。
私は日本の古典の洋書を読んだりもするのですが、洋書で意味が分かることもしばしばです。日本語はそれだけ複雑かつ表現が豊かということですね。



そういった相互作用は、言語の醍醐味だとすら感じます。強力な理解へと向かうことも付け加えさせて下さい。

そうしてアメリカ人へ説いている不思議と、アメリカで禅が盛んな事実に敬意を払いつつ、日本人としてまた新たな視点を授けてくれる良さを感じながらページを進めることになります。

鈴木俊隆氏がアメリカで根を広げている最中、こんな出来事が勃発します。


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スティーブ・ジョブズと禅の出会いは。


本書を語る時に必ず出てくる人物、スティーブ・ジョブズ氏。

そもそも彼は禅に傾倒していたというのは割りと知られた事実ですね。
こちらの書籍でも一部言及されています。


一応誤解の無いようにお伝えしておこうと思うのですが、本書では彼のことは言及されていません。
あくまで愛読していたということです。

ただ、2人の間には重要な歴史的繋がりが見られるのです。



そもそも傾倒の発端は?


本書でも触れていますが、1960年代のアメリカの若者のカウンターカルチャーにまでさかのぼります。

反戦のムーブメントも手伝い、ヒッピー文化も起こりました。
ジョブズ氏もそんな時代のヒッピーの1人。

当時のアメリカの世相にあった閉塞感や混沌から新しい価値観を探すそんな若者たちが禅に行き着いたというところです。



そうして彼は鈴木俊隆氏を師として禅を学ぶに至ったという接点があるのです。

ですが、その当時で言えば、
「東洋の哲学って、クールじゃん!」
というノリに思えてきてしまうのは私だけでしょうか。



「般若心経の科学」
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こちらの書籍でも触れられていたのですが、いつも東洋のものは、西洋の混沌のス
ケープゴートのようにされる歴史も気になってしまうのです。

かつてのアールヌーボーのように、文明に飽和したら東洋。
戦争に飽和したら東洋。
科学の論理に行き詰ったら、未開の地の東洋。

・・・アンテナの広さや鋭さ、そしてその感度は素晴らしいとは思います。

ただ、淘汰されていく人も多い中、ジョブズ氏はかなり真面目に傾倒していたようで出家まで考えたとのことです。もしそうなっていたら、iPhone等はこの世に無かったということですね。

いずれにしても、彼自身の作風や仕事に影響を与えるほど、禅との出会いは大きな経験だったようです。


彼の優秀さのヒントを探せる。


あなたは彼に興味がありますか?

もし無い場合はここを飛ばして頂いても構いません。
彼の特筆すべき所は、クリエイターでもあって、優秀なマーケターでもある事実。

あなたはどう感じますか?



こう質問をしたのも、一般的に日本人の考えでは相反しやすいと思われる2つだからです。

※参考記事:


ちなみに彼のマーケターとしての優秀さは多くの書籍でも紹介されています。



誰にとっても気になる人物であることの証ですね。
ただ、人柄に関しては賛否両論がありますが、話題が変わるのでここでは触れません。


そんな彼が愛読したからこそこう感じさせます。

相反するものを可能にする非凡さへのヒントが禅にはあるのだろうか、と。
禅の何が彼を作り上げたのか、と。

本書を介して、彼と会話をするような、または彼の脳内を覗いてみるようなことも出来そうです。そのような感じで、個人的には偉人の愛読書を読んでみるのも面白いと思っています。そんな見方もオススメ。

いささかベタですが、
「ジョブズが愛読した」
という触れ込みに興味を持ったのも否定はしません。

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鈴木大拙と鈴木俊隆。二人の鈴木。

 
欧米には禅に「二人の鈴木」がいるといわれる。

帯でそう触れられています。深い理解に向けて、各氏を見てみましょう。

まず鈴木大拙氏。
20世紀初頭、禅を欧米に広めた始祖です。

それを知ってから彼の著書を以前読んでみました。それはこちらです。
無心ということ (角川ソフィア文庫)

無心ということ (角川ソフィア文庫)

鈴木 大拙
836円(11/21 06:52時点)
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ただ、これはかなり専門的で高度な哲学書なので、いかんせん難し過ぎるかも知れません。

悪書というわけでは決してありませんが、今はもっとわかりやすく説かれたものを読もうと考えています。そこで本書が必要。
しっかり理解するために繰り返し読もうと決めています。

冒頭にも書きましたが、真の答えをつかむにはそれが良さそうです。


そして本書の鈴木俊隆(しゅんりゅう)氏。




先の大拙氏が数多くの書籍で禅を伝えていったのに対して、俊隆氏は実際に渡米し、その地で生涯を閉じるまで禅の布教に努めました。

その間、本書に限らず他にも著書を記したので参考にしてみては如何でしょうか?

何となくではありますが、こんな背景を知っていくと、余計に彼らの禅への情熱が伝わってきます。

鈴木大拙の禅は劇的である。鈴木俊隆氏の禅は日常的である。(p10)


日本人も負けずに知っておきたい万能な思想と名言。


本書の禅は、坐禅や修行の説明を通して、心の保ち方、そしてさらには物事の捉え方といった深い部分を学ばせてくれます。


それを学ぶことで、私たちに何をもたらすのか?
ちょっと考えてみました。


引用元:cuke.com

個人的な体験にはなりますが、自他共に深く知っていくことで、動じなくなるような落ち着きや達観ですね。さらには、日本人としての心のルーツや真実に近付くために、時間を掛けて読みながら考えたい願望も。

実際、本書を読んで理解するには時間が掛かると思いますし、自らの成長と共に見方や印象は変わってくることもあります。

例えば、10年前の印象とは違い、今ならわかると。

仏教を学ぶことの目的は、仏教について勉強することではなく、自分自身を学ぶことにあります。自分自身を学ぶには、なんらかの教えが必要です。水とはなにかを知りたければ、科学が必要です。(p151)

やがてはビジネスにも他の勉強にも、そして日常生活にもそのクオリティを高めるために活かされていくのでしょう。
DNAレベルの学問として。

横の繋がりをも生む。


話はややそれますが、一例としてこんなお話も。

こちらのライティング・文章作成の教材「The Million Writing」ではこう触れられています。
一つの分野にとどまらない知識や思考の広がり、及び深さは必須と。


人を深い部分で知るからこそ、人を動かす文章が書けることにも繋がると。


だからこそ禅を学ぶことが、あなたにとってもわたしにとっても、
いつか他のことに役立っていくかもしれませんね。
そんな未知との出会いにワクワクさせられながら、ページを進めていきます。

先ほども書きましたが、本書はシリーズになっていてPART2もあります。

どれも紹介とレビューをしていきますので、何らかの助力になれば幸いです。

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レビューが気になり見ているあなたに。


サクッとこの導入編のあとは、5分でもっとわかるガチレビューを一応見ておきたい。
もしそんな場合はこちらがオススメ。


「禅マインド ビギナーズ・マインド」を見たい
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ガチで独創的に読んでくれたあなたに謝謝。

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