そうなんです。
ブランディングのための本かと思って読んでいたら、プレゼン上達のための本に思わせます。
簡潔に伝えることに徹せよ!と。
そう頻繁に教えられる書籍です。
今回ダイレクト出版から届いた新刊、
「ストーリーブランド戦略」
(Amazonのリンクに飛びます。その他は下記にて)
もっとも、よくよく考えてみたら、ブランディングというのもプレゼンテーションのようなもの。
広義では、企業やブランドを簡潔に示して象徴させていくプレゼンテーションの一種とも言えますね。
なので、またひとつここで脳内ネットワークを繋げてくれます。
あなたは仕事でも日常でも、簡潔に示していますか?
伝え方に困っているのならば読んでみる価値は大いにありそうです。
今回は導入編。ガチレビューは後ほど!
読み始めて早々に衝撃を受けます。
私だけでしょうか。
いや、あなたもきっとそうだと信じています。
どんな衝撃か?
ストーリーでブランドを、といったコンセプトや手法は、昨今叫ばれ続けてきたもので珍しさはありません。
ですが、その主人公が誰かというものにはある種の誤解が生まれていたのではないでしょうか。
その誤解に真っ向から触れながら、ページが進んでいきます。
そこに衝撃が。
ブランディング好きには面白い本です。
Contents
著者ドナルド・ミラー氏があなたに伝えたいこと。
原題は
“BUILDING A STORYBRAND:
Clarify Your Message So Customers Will Listen“
サブタイトルも入れれば、ちょっと長いですが、
「ストーリーブランド構築:
顧客が耳を傾けてくれるように、あなたの伝えたいメッセージを明確にせよ」
といったところです。
非常にわかりやすいタイトルではありませんか。著者の伝えたい真意が実にわかりやすい。
あと一つ付け加えるならば、そのメッセージを簡潔なストーリーを使って、でしょうか。
そこでストーリーの存在が大きくなっていくわけです。
あなたがストーリーを作り、使うにあたって最初に考えるべきこと。そこから本編が始まります。
ストーリーの主人公は誰?
本書で述べるのは企業の物語を伝える方法ではない。そんな本は時間の無駄である。消費者は普通、企業の物語に関心はなく、自分の物語を気にかけている。
物語の主人公は商品やサービスではなく、顧客である。桁外れの成功を収めるすべての企業はそのことを知っている。(p4)
ここで冒頭で述べた衝撃。
と言いますのも、これまで触れてきたストーリー仕立てのブランディングや戦略といったものは、如何にして自分たちのこと(商品・サービス)を伝えるかに焦点を当てられていたように記憶しています。
もしくは、少なくともそのように誤解していたかもわかりません。
あなたは如何でしたか?
ある商品にまつわるエピソードや、開発者の経験談や苦労話、はたまたサクセスストーリー。
挙げればキリがありませんが、その主人公は無意識のうちに売る側・提供する側になっていたのかもしれません。
その意味では、新たな刺激を脳にぶち込んでくれますね。
主観ではオドロキもあり。
考えたことも無かったような視点を授けるのだろうと楽しみが沸いてきます。
さて、さらにページを進めましょうか。
ストーリーブランドの前に人間の脳の特徴を知る。
何故にそんな話か?
人間の脳はわかりやすさを好み、混乱を嫌うからだ。
実のところ、私たちは単に商品を市場に出す競争をしているのではない。 “自社の商品が消費者にとって必要である理由を伝える競争をしている” のだ。最高の商品を扱っていたとしても、競合他社のほうがわかりやすく情報を伝えたとすれば、質の劣る商品に負けることがある。(p18)
序盤を読んでいく中で、特に強調されているのが、
「とにかく簡潔にすること」。
お読みのあなたにも目に付いていくと思います。
しかし、重要なのは技術力ではない。人々が買うのは、最高の商品ではなく、一番わかりやすい商品なのだ。(p34)
こう何度も強調され断言されていくと、脳内で今まで積み重ねてきたものが大きく揺さぶられる心境にもさせるでしょうか。
個人的には、
「売ることは伝えること」
と実体験の中で思い知らされてきました。
それらは本書との出会いのように脳内を揺さぶられた経験です。
特にクリエイターをやってきたことで、技術・クオリティとプレゼンテーションのバランスは痛いほどよくわかります。
あなたも私も伝えたいことは沢山あるでしょうし、自らが主体になってしまう人間の悲しいサガもわかります。そして逆の立場に立った場合の、簡潔さを好む脳の性質はわかります。
ではこれらを踏まえてどのようにストーリーを作り、駆使していくのか?
本書はその手法とコツへと入っていきます。
映画はどう作られるのか分析していこう。
アメリカならではの内容です。
映画のあらすじを知っている人には特にわかりやすいです。そして面白い。
また、話の流れを学ぶという意味では、日本ではさしづめ落語等が題材になるのでしょうか。いわゆるどういうものが「ベタ」な流れなのか、そしてネタなのかを解析していきます。
完全にブランディングよりも、伝えるコツが展開。
著者はそれをこう総称します。
物語に欠かせない7つの基本要素。
ほとんどの映画では、何らかの形でこの構造が登場するはずだ。物語の7つの基本要素は音楽のコードのようなもので、この要素を使って生み出すことのできる物語は無限にある。(p35)
アプローチのユニークさはかなり感じさせますね。
もしあなたが、なかなかに伝えることが難しいと悩んできたのならばその助力に。同時に、新しい脳内スイッチを提供してくれると言っても過言ではありませんよ。
ただ、前半だけで判断すると、ブランディングの本とは思えず、どんな本として読もうかと探り探りの私がいます。
全体的に伝え方強化の本。
ブランドの作り方ではなく、伝え方。
このビミョーなニュアンスの違いが伝わってくれますでしょうか。
もしあなたが作り方を学びたいのであるならば、こちらの書籍をお勧めしたいですね。
「ストーリー・ブランディング」
こちらの書籍では、あなたがどのようにキャッチコピーを作り、何を売りにしていくのかといった実務的なブランディング作業に触れることが出来ます。
一方で本書「ストーリーブランド戦略」は、伝えるためにどうすればよいのかの内容。
私事にはなりますが、両方所持していることはラッキーに感じています。
加えて、デザイン事業やブランドを扱う仕事をしていることもあり、新たな視点や刺激を受けながら読んでいこうと思わせてくれます。
毎年多くの企業が廃業することになるのは、商品に問題があるからではない。見込み客に商品の価値が伝わっていないからだ。消費者の物語の各要素を詳しく分析しない場合、消費者はそれを感じ取り、その労力を惜しまない競合他社に関心を向ける。(p55)
ブランディングという分野はとても幅広く、ライティングや広告、さらにはマーケティングの切り札にも派生していくと言っても過言ではありません。
一見、抽象的な概念でわかりにくそうですが、知れば知るほど強固な土台となり得ます。
一方でいくら勉強しても足りないくらいに思わせるものです。
ひとまず読み進めて、本書でより良い伝え方の勉強を。
そう思わせる面白さは感じさせます。
後日ガチレビューをしますが、ちょっと、ガチレビューの前に立ち読み!
以上、導入編でした。
「ストーリーブランド戦略」を見たい
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「ダイレクト出版新刊「ストーリーブランド戦略」は映画研究から始まって、あなたのプレゼンに役立つ本。」への4件のフィードバック
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