この本は事典です。
本気の情報量で一歩も二歩もリード。膨大過ぎます。
決して読み物として捉えないで下さい。
しかし、オンラインコンテンツに関しては総決算の本です。
コンテンツこそ王様。
そのフレーズで全て始まります。
私の知る限りでは、他の本に比べて頻繁に名前の出てくる書籍ではないですが、噂の派手さよりも事典として手元に置いておく事を決めました。
もしあなたが有益になり得るオンラインコンテンツの作り方を真剣に身に付けたい場合、是非オススメします。
そしてこのレビューを読んでみて下さい。
サブタイトルは、
「御社のサイトがキャッシュマシンに変わる」
そのサブタイトルが誤解を招きそうです。
何故ならば、
あくまでオンラインコンテンツの基本事項や、コンテンツマーケティングの土台が網羅されている書籍だからです。
つまり、直接金銭を生む手法やセールスに関する書籍ではありません。
セールスの為に買ってしまって憤慨しているレビューも見たので、あなたにお伝えしようと思います。
繰り返しますが、マーケティングとしての土台をコンテンツによって作るという本です。
あるいはオンライン上でそのコンテンツを使用して集客をする方法論です。
ご注意を。
Contents
本書の概要と評価。
でも私はサブタイトルに惹かれました。
それは正直に言わないといけません。
あなたは如何ですか?
私はデザインの事業の中で元々コンテンツを持って仕事をしていた事もあり、誤解まではしませんでした。
ただ、そのコンテンツをもっと上手く活用する事は出来ないものかとの日々。
ブログであれ。WEBSHOPであれ。HPであれ。
作り上げて、後は放置した状態(と言えば嘘にはなりそうですが)には出来ないものかと。
WEB上のものは、21世紀の不動産でもありますからね。
そんな中、本書のタイトルを目にして、システムを学ぼうと思い立ちました。
受け取ってみると圧倒的な情報量に圧倒され、まさに事典。
それは購入後も参照し続けられるという意味にもなり、コストパフォーマンスは良さそうとの第一印象です。
読み進めていきます。
オンラインコンテンツ製作の初心から。
コンテンツというあなたの声。
オンラインに限らないですが、まずあなたがどのような声を持っているのか、から言及。
あなたは何を伝え、誰に伝えますか?
また、そもそもそれを何故行いますか?
如何ですか?
喜ばせたいのか。知識を与えたいのか。
信頼を得たいのか。役に立ちたいのか。
そのビジョンに掛かってきます。
この概念は(本書自体にも言えますが)個人としても企業としてもとても大切なものです。
全てはここから始まると言っても過言ではありませんね。
だからコンテンツへの興味さえあれば、読む人を選びません。
この本ではコンテンツの製作プロセスをわかりやすく説明し、見込み客を引き寄せるような際立ったブログやポッドキャスト、ウェビナー、Eブック、その他のウェブコンテンツを作る秘訣を紹介する。(p7)
事典だと冒頭で書きましたが、前半部はコンテンツとは何かを考えさせ、徐々にその答えを授けてくれます。
ここでわかっていそうでわかっていなかった事の整理。
オンラインコンテンツの11のルール。
これが前半第一部のメインテーマ。
一つ一つにかなりのページ数を割いています。
それもそのはず。本書の原題は
Content Rules。
ルールがこの本の根幹を成す内容です。
詳細や印象は後ほど。
私は、上手くいく時もいかない時も、今でも立ち返るようにしています。
もしかしたら、オンラインに限らず、コンテンツで仕事をするのならば抑えておかねばならない基本事項。
一つの店を持っていても原理は同じかもしれません。
コンテンツの製作は複雑で難しいなどという考えはもう捨てなければならない。(p38)
それぞれのメディアについての方法。
こここそがまさに事典。
そう考えれば、隈なく読むのは時間が勿体無いと思いますし、その意味もありません。ご心配無く。
私たちはこの本を、消化しやすいハウツー形式で書くことにした。ざっと目を通すだけでもいいし、読み飛ばして好きな場所に移動してもいい。いったん本を置いて、また戻ってきてもかまわない。そういう構成にしてある。(p10)
例えば、
広辞苑は全部読みません。
メディアと一言で言っても、人によって扱っているものも違うと思います。
必要な時に必要な事を。
あなたがYouTubeをやっていない場合、動画コンテンツの章を読む事も無いでしょう。
同様に、Eブックをやっていない場合、Eブックの章を読んでも意味が無いでしょう。
自由に選んでみて下さい。
コンテンツマーケティングの
サクセスストーリー付き。
サクセスストーリー付き。
ラストは10個の企業の実例。
この章のコンセプトは真似出来る所をどんどん探す。
コンテンツをやるに至った経緯から始まり、具体的な手法と内容・取った戦略・使えそうなアイデアといった段階を踏んでの考察が付いています。
ここまで辿り着くのは大変かと思いますが、ここまであなたが学んできた事をおさらいしながら、使えそうなアイデアを取捨選択するのも面白いかも知れません。
また、善悪はともかくとして、このように実例を載せてくれている親切さには好感が持てます。
更には、これらを踏まえながら、巷にある動画やブログで良い手法を探す眼力が備わると一石二鳥です。
そして最終評価は。
もしかしたらコンテンツというものを何か特別なものと感じてしまっているかもしれません。
しかし、「コンテンツ」という概念は、ありふれた日常にこそ、そしてあなた個人の中にこそあるものです。
あなた自身の興味・趣味、会社としての仕事・商品。
売りに出来るものは全てコンテンツです。
活かせるものを活かせる人生はきっと豊かになります。
オンラインコンテンツを作りたい方、コンテンツマーケティングに興味のある方でさえあれば、個人・法人問いません。
内容も深く充実。永く使えます。
そのような訳で、★★★★★(5.0)の評価をしました。
ここで「お客が集まるオンライン・コンテンツの作り方」を見たい
コンテンツ制作に向けての注意。
本物でなければならない。
頻繁にこのメッセージが出て来ます。
作家の声(あるいは、演出家、振付師、写真家、起業家の声)は素材そのものから生まれるものと、その素材ごとにとって役立つ行為から生まれる。(p77)
あなたの声は本物でなければならない。(p80)
本物という概念がどんなものなのかを議論するのは置いておきましょう。
ただ、本書で著者が言わんとしている事は、純粋にあなたの中から出て来るものをと定義しているようにも思えてきます。
あなたの生の声、ありますか?
先程も出て来ました。
では、それは何をもたらすと本書は言っているのか?
生き残る中身とオリジナリティー。
流行っているからとか、
これから必要だから、
あるいはやりたいからという理由に対して著者は警告をしています。
その真意は、あなたの声を確立させて土台を作る事が第一条件と。
更には、著者の歴史の中で、そういった事をしないで行ってきた所の失敗も見て来たそうです。
そういう上司がいる時もやめるように忠告せよとも。
与える情報が価値のあるものであればあるほど、専門家として認知され、信頼を得られる。豊かなメンタリティーを持つものが勝利する。(p36)
中身や土台を構築するのは時間が掛かります。浸透するまでに苦心します。
その工程が敬遠されそうなのも否めません。
私も好きな事で楽しみながらとはいえ、苦しみは経験してきました。今もです。
ですが、これだけは断固として言えます。
中身(コンテンツ)が備わっていないと人もビジネスも廃れます。
勢いだけで、勉強や知識が無い物は見抜かれもするでしょう。
上手くいかない時に、自身で対策も練る事が出来ない。
また、あなたがターゲットとして相手にしたい人こそ、目が肥えています。
やはりその辺は、世の中も人も甘くはありません。
また伝えたいコンテンツや商品の意味・理由を広めていく作業がコンテンツの価値を上げる事にも繋がります。
その様を見て、人数だけでは語れない、真のリピーターやファンが付いたり、顧客様になってくれるという原理は痛いほど感じて来ました。
本物しか生き残れないのだなと、常に戒めています。
やはりこれを読むと、そこに焦点を当てていて、本気度は高い本です。
如何にして中身の濃いコンテンツ、そしてビジネスにするかを教えてくれています。
コツは出版社・文学・ジャーナリズム。
著者言わく、これが優れた見本。
あなたは今日から出版社です。
そして文学者(作家)のようにストーリーを経験し考え、ジャーナリズムのように報道していく。
この表現は印象的でした。
人々が興味を持つ価値ある情報を提供する事が、新しいビジネスをもたらすという考え方だ。今の企業には、顧客になってくれそうな人たちが何に興味を持っているのかを把握し、その需要に応えるものを作って提供することが求められている。(p7)
この流れがオンラインコンテンツ、そしてコンテンツマーケティングの礎と感じるでしょう。
コンテンツを扱う仕事をしてきた私にでも、わかっているようでわからずにいた自身のメディアの使い方、捉え方を変えさせてくれます。
加えて、SNSのような媒体でも、自分本位な投稿を戒め、見抜けるようにもなりました。
その詳細はこちらのレビューでも触れています。
先程の流れを経験していくうちに必要となるのは何だと思いますか?
ライティングですね。活字の世界が避けては通れません。
あなたが使うべき言葉とそうでない言葉等にも言及。親切な横の繋がりです。
そこにはオーディエンスへの心遣いの重要性が隠されています。
文学者やジャーナリストである為には、伝え方や言葉の使いこなし方がモノを言う事の表れでしょう。
11のルールに派手さを期待しない。
奇抜で人目を引くものでも、基本の上に成り立つ。
画像にもありますように、11のルールに基づいて内容が展開されていきます。
そこに奇抜なアイデアは特に無く、地に足の付いた理論がひたすら続いていきます。
繰り返しになりますが、ドカンとセールスする為の本ではなく、その土台を強固にする為の骨太の概説書です。
本物のコンテンツをあなたが生み出す為に。
何か特別な奥義があると期待してしまうと裏切られる可能性もあります。
分量も多く、つらくなる可能性も否定出来ません。
ですが、一連の流れには無駄が無く、少しレベルの高い授業を難なくクリアしていくような充実感に陥らせます。
これらの11のルールの根底にある概念は、
誰もあなたの製品やサービスのことなど関心を持っていない。(中略)「自分たちを情報源として位置づけること」のほうが企業にとってははるかに効果的だと指摘する。(p113)
その情報も、オーディエンスにとって何が有益かを考え続ける。
一例としてP&Gの「パンパース」の事を取り上げていました。
乳児を抱える母親へのお役立ち情報が満載のサイトを作っています。
つまり、連鎖的に何が必要かを広げて考える事が、人が興味を持って集い、収益になっていくという論理です。
野球用品を売っているなら、グラブの手入れの仕方でも良いでしょう。
レストランが、ほんの少し調理の裏側を見せるのも良いでしょう。
私も、製作の裏側を見せたりするようにしました。
意外とウケがいいと気付き、自分が気付かないだけで知りたい人は多いのだなと実感した経験もあります。
物だけを売れば良いという時代は終わりました。
膨大な情報量を読み進めていくと、あなたもそんな新しい時代の扉を開けていく感覚になるでしょう。
その新しい時代の後編へ。
もうちょっとガチで知っておきたいから後編を見たい
モノを売る時代の終わり。新しい時代のキャッシュ戦略。
「お客が集まるオンライン・コンテンツの作り方」を見たい
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「ガチで独創的なレビュー:「お客が集まるオンライン・コンテンツの作り方」(前編)」への18件のフィードバック
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